コスト削減と品質を両立できる、信頼のベトナムオフショア開発企業TOP10をご紹介します。
特集コンテンツ
ベトナムオフショア開発会社トップ10
【ベトナムオフショア】日本法人を選ぶべき理由
日本法人を持つベトナムオフショア企業に依頼する際のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
By Admin , 16 Oct 2025
Japan DX Week 2025秋(10/22-24@幕張メッセ)に出展。生成AI×モダナイゼーションをテーマに最新AI活用事例や独自ソリューションを実演。副社長・枝常によるセミナーも開催【参加無料・事前登録制】。
By Admin , 18 Jul 2025
東京の中心から、世界のイノベーション・エコシステムの共創へ NTQ Japanはこのたび、東京都が支援するスタートアップ支援拠点「Tokyo Innovation Base(TIB)」にパートナーとして参画致しました。 NTQにとって本取り組みは、日本市場における成長の大きな節目であると同時に、東京、そして世界のイノベーション・エコシステムへの本格的な参画に向けた重要なステップとなります。 TIB(Tokyo Innovation Base)とは Tokyo Innovation Base(TIB)は、東京都が推進するスタートアップ戦略に基づき、スタートアップやその支援者、企業、大学、行政など多様なプレイヤーが集結し、イノベーション創出と社会実装を加速する一大拠点です。国内外の起業家・VC・支援機関がつながり、共同イベントや支援プログラムを通じて新たなビジネスエコシステムを形成しています。 スタートアップ支援イベント・プログラムの展開 国内外イノベーターとのネットワーキング 東京都との連携による社会課題解決型プロジェクト パートナー一覧はここからご覧ください。 NTQジャパンのTIBパートナー参画の意義 NTQジャパンは、多様なテクノロジー分野での実績とグローバルなネットワークを活かし、TIBパートナーとして以下の活動に取り組んでまいります。 日本市場に根ざしたITソリューションの提供 スタートアップや産学・行政との共創プロジェクト参画 AI・生成AI、DX推進領域でのオープンイノベーション促進 イベントや専門セミナーの開催によるコミュニティ活性化 しかし、TIBのパートナー認定は決して容易なものではありません。企業には、イノベーションへの取り組みや実績、そしてエコシステムへの長期的な貢献意欲が求められます。 NTQは、これまでTIBにおいて数多くの高品質なイベントを主催・運営し、高い評価を獲得してきました。こうした実績が、今回のパートナー認定につながったと考えています。 TIBにおけるNTQ Japanの実績 ADX Innovation Day – 2025年5月30日 NTQのTIBにおけるプレゼンスを確立する大きなきっかけとなったのが、2025年5月に開催された「VADX Innovation Day」です。 本イベントは、在日ベトナムDX協会(VADX Japan)が主催し、ベトナムのグエン・チ・ズン副首相率いる政府高官代表団、東京都、JETRO、経済産業省(METI)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)、約30の自治体、ベンチャーキャピタル、IT企業など1,000人以上が参加しました。 NTQはこのイベントの企画立案から運営、内容構成、全体のディレクションまでを主導。 ベンチャーキャピタルとのトークセッション、スタートアップ展示、専門ワークショップ、ネットワーキングまで多彩な内容を展開しました。 「NTQの組織力とコミュニティ接続力には感銘を受けました。単なる大規模イベントというだけでなく、質の高い内容と“共に創る”という精神が強く伝わってきました。」 — 東京都スタートアップ戦略推進本部・Tokyo…
By Admin , 16 Jul 2025
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By Admin, 21 Jan 2025
VUCAの時代と言われる現在は将来の予測が困難であり、人々のニーズとビジネス環境の変化に合わせて、開発手法にも工夫が求められています。新規プロジェクトの開発では実施期間の短縮化やコスト削減が必要になるでしょう。その目的を支援する手法の一つとして、MVP開発は注目されているのです。 本記事では、MVP開発について、概要やメリット・種類・費用相場など、知っておくべき5つのことを徹底解説していきます。 MVP開発とは MVP開発はMinimum Viable Productの略で、実用最小限の製品を意味します。MVP開発とはコアとなる価値を提供し、顧客に必要最小限の機能のみを備えた製品を提供することです。基本的に、MVP開発はフィードバックを集め、その製品がユーザーに必要とされているかどうかを確認できることが特徴。また、初期バージョンの導入で、お客様のニーズや好みを把握できます。開発者はそれに応じて製品を調整し、さらなる更新を計画することができることも特徴です。したがって、MVP開発を行うことによって、開発コストを削減するだけでなく、市場に適合しない製品を作成するリスクを低減することができます。 PoCとの違い PoCはProof of Conceptの省略であり、概念実証のことです。新規製品、新規事業を企画するとき、PoCもよく出てきますので、MVP開発と間違えてしまう方がいるかもしれません。ここで、PoCとMVP開発を区別できる特徴をまとめます。 まず、PoCは概念実証の名前の通り、製品の初期バージョンではありません。ソフトウェア開発におけるPoCは、ソフトウェアのコンセプトが技術的に実行可能かどうかを調べることを目的としたプロセスです。実際に製品を開発するわけではありません。対して、MVP開発は、初期バージョンを開発し、そのサービスが市場において、適合するのかを実証実験する工程を指しています。 MVP開発のメリット MVP開発のメリットは複数ありますが、主なメリットを5つ取り上げます。 市場投入までの時間の短縮 MVP開発は最低限の機能を作るため、従来の開発手法より開発サイクルが短くなります。したがって、MVP開発による製品は他社の製品より早く市場に投入することができるでしょう。 製品のライフサイクルがますます短くなる昨今では、開発期間の短縮は競争力の向上に大きく貢献します。特にニッチ市場で成功するためには市場投入までの期間が短いことが、成否を決定づけるでしょう。 市場需要の検証 MVP開発はシステムの機能を確認するためのテストだけでなく、市場の需要を理解するためのものです。特定のお客様のニーズを想定しながら自社製品を開発する場合に有効となります。MVPの製品があることによって、「そのニーズが存在するか」、「そのニーズを持つ潜在的な顧客が想定したほど多いか」といったことを確認することが出来ます。また、この段階で得られたコメントなどに基づいて、製品の改善・作り直しを通じて、差別化を図ることができます。 コスト削減 MVP開発では、プロダクトに必須な機能だけ搭載するため、コストを最小限に抑えることができます。また、最初から不可欠な機能だけを搭載するため、製品が複雑になりすぎることがありません。開発者に高度なコーディングやソリューションを求めることを防ぐこともできます。また、初期のバージョンから得られた利益を再投資することで、コストを分散させることができるのです。 リスクの最小化 製品の立ち上げには時間やお金、リソースを多大に投資するため、注意が必要です。さらに、製品の不評がビジネスやブランド名を傷つけ、会社や顧客に損害を与える可能性もあります。大規模な投資を行う前に、MVP開発で製品のアイディア、コンセプトを検証することでリスクを最小限に抑えることができるのです。 ステークホルダー・投資家の説得 ステークホルダーや投資家は成功する製品にだけ投資するものです。そのため、ステークホルダーや投資家を説得するために、MVP開発は非常に有効な手法です。なぜなら、MVP開発は言葉の説明だけでなく、物理的な製品を提案し、ユーザーの反応などで製品のメリットを証明できるから。将来性を提示することで、投資を呼びかけることに成功できます。 MVP開発の種類 MVP開発はタイプが複数あります。企業の目的に応じて適切な種類を選びましょう。 オズの魔法使い オズの魔法使いでは、ユーザーに見える部分だけを機能するように開発します。つまり、システムのフロントエンドのみを準備し、バックエンドは人的に対応していくのです。その結果、わざわざバックエンドの機能を開発することなく、製品コンセプトを検証できます。本当にニーズがあり、バックエンドの開発の必要性があるのか事前にわかることが特徴です。 コンシェルジュ コンシェルジュは提供されるサービスのフロントエンドもバックエンドも人的に対応します。また、コンシェルジュ型は、将来の製品に関するアイディアの創出、サービスの提供や顧客とのコミュニケーションが目的であり、検証することではありません。大規模なシステム開発などを判断する際、コンシェルジュがよく使われています。 ピースミール型 ピースミールタイプでは、直接ソリューションを開発せずに、既存のアプリやツールを活かして、お客様に価値を提供します。プロダクトのプロトタイプは1つのサービス用に動作するため、他のサービスを検証する場合は、複数のプロトタイプの準備が必要です。フィードバックを得た後に必要な機能を追加することもあります。 単一機能 単一機能タイプは、機能が1つ搭載される製品です。これは、製品やサービスの最も重要な機能を検証することに役に立ちます。このMVPであれば、ターゲットユーザーを絞り込み、フィードバックを受け、分析し、テストに集中することができるでしょう。 MVP開発の費用相場 MVP開発には様々な種類があり、要件に応じて、MVP開発の費用も変わります。例えば、非常に簡単なWEBサービスのプロトタイプだけの外注なら、費用が200万円前後ですが、300〜500万円程度の予算が必要な場合が多いでしょう。 一般的なソフトウェア開発では、500万円〜1,000万円の予算が必要なケースが多いもの。その点、MVP開発ではコストを抑えた開発が可能になります。 しかし、その予算以内で品質が高い製品を完成させるためには、開発ベンダーの選択に十分注意するべきでしょう。なぜなら、MVP開発では今までにないものを実現することが多いため、手戻りを防ぐために、実績が高い会社や密なコミュニケーションが取れるベンダーが必要になるからです。 まとめ:新規事業を加速するMVP MVP開発について、概要からPoCとの区別、メリット、種類、費用相場まで紹介いたしました。MVP開発は実施期間の短縮、コスト削減、リスクヘッジなどを推進する開発手法です。MVP開発のメリットを活かすために、ローコード開発やノーコード開発を利用するケースが多くなります。ワンストップベンダーとしてのNTQは開発に関するあらゆる悩みを解決に導くことが可能です。一度御社の開発に関するお悩みをぜひご相談ください。…
画像認識とは、画像に何が写っているのかをコンピューターが認識するもので、今後もさまざまな場面で活用されることが期待されている技術です。特に近年のAI技術の進歩により、画像認識が活用できる領域は大きく広がりました。そこで、本記事では画像認識の概要や仕組み、現在使われている画像認識の種類や活用事例などについてご紹介します。 画像認識とは 画像認識とは、ある画像に何が映っているのかを認識する技術のことです。人間の場合、蓄積された経験をもとに、画像に写っているものが誰なのか、何なのかを判別することができます。しかし、通常コンピューターは画像を見ても単なるピクセル(画素)の集まりとしか認識できません。 そこで、AIによるディープラーニングを使うことで、人間の「蓄積された経験」と同じように、数多くの画像データからパターンを学び、人やモノの特徴を学習し、ビッグデータをもとに画像に写っているモノや人の識別ができるようになるのです。 AIの学習方法には他にも人がルールを教える、機械学習を行うなどの方法がありましたが、ディープラーニングでは人間が先に教えていなくてもコンピューターが人間の神経回路に似せた「ニューラルネットワーク」を使って自ら学習し、画像を判別することができるようになりました。 画像認識の仕組み 画像認識の仕組みは、以下の2つの手順が使われています。 1.画像処理・抽出 いくらディープラーニングで人間と同じようにAIがビッグデータから画像を認識すると言っても、コンピューターが画像を認識する仕組みは人間と同じではありません。細かいノイズがたくさん入っていたり、暗い画像や対象物と背景の輪郭がぼけていてわかりにくかったりする画像などは認識しづらいのです。そこで、まずは以下のように対象物を認識しやすいような画像処理・抽出を行います。 画像のノイズや歪みを除去する 明るさや色の補正を行う 対象物の輪郭(エッジ)の強調をする 対象物の領域を抽出し、背景と区別する 対象物の画像データを、ピクセル単位で抽出する ここまでして初めて、対象物を認識できた、ということになります。 2.ディープラーニングを用いた特定物体認識 次に、ディープラーニングを使って特定の物体かどうかを認識します。画像認識のディープラーニングでは、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)というネットワークモデルがよく使われます。 CNNでは画像の特徴を抽出する「畳み込み層」と、特徴を分析する「プーリング層」があり、「畳み込み層」ではたくさんの画像を見せていくことで、「この対象にはこんな特徴がある」と学習していきます。「プーリング層」では、畳み込み層で学習した特徴の中からより優先すべき特徴を選んでひとまとめにし、一番値の大きいものを選んでいきます。このような過程を経て、「対象物が写っているのはこの画像である」と認識するわけです。 画像認識の種類 現在使われている画像認識の種類には、大きく分けて6つのものがあります。 物体認識(物体識別) 対象となる物体と同じものが画像内に存在するかどうか検証します。また、画像に映っている物体の種類、カテゴリを特定するなど、画像に映っている物体の情報を抽出するのも物体認識に含まれます。 また、物体認識は「一般物体認識」と「特定物体認識」に分かれ、「これは猫である」とまとめて認識するのは「一般物体認識」、「これはアビシニアンである」と特定の種類を認識するのは「特定物体認識」に分類されます。 物体認識は、次に述べる「物体検出」と切っても切り離せない技術です。 物体検出(物体検知) 物体検出とは、画像内に含まれるある対象の位置を検出するものです。人間が画像を見たとき、「それが何であるか」「それがどのあたりにあるか」はほぼ同時に判断していますが、コンピューターにとっては異なる処理となります。この「物体検出」ができないと、自動運転車が標識や障害物、通行人などの物体を正しく認識し、処理できないため非常に重要な技術の1つです。 画像キャプション生成 入力した画像内に何が映っていて、映っているものがどんな状況にあるかを判別し、画像の説明文を生成するものです。例えば、犬が草原で遊んでいる画像に「犬が草原で遊んでいる」と文章をつけます。文章をつけるのは「自然言語処理」によるもので、視覚に問題があり、画像を見ただけでは何かわからない人などに活用されています。 異常検知 異常検知は、主に製造業の現場で異常や不良品を見つけるのにも活用されています。まず、ライン生産させている製品の正常な状態と異常な状態をそれぞれ大量に読み込ませ、共通点や相違点をパターン学習させます。その上で、撮影された画像から製品の異常や損傷箇所、不良品を正確かつ素早く検知することで、検品作業の効率化と品質向上が図れます。 顔認識 文字通り、人間の顔の特徴を抽出し、識別する技術のことです。 例えば、目や鼻、口、顔の輪郭などは人それぞれ特徴が出やすい部分ですから、このような部分を抽出して「人間の顔である」ことを認識します。さらに、データベースに登録された顔写真と照合して、「顔認証」として使うこともできます。 文字認識 文字認識はOCRとも呼ばれ、紙に書かれた手書きの文字や、印刷された文字などを判別する技術のことです。 近年、スマートフォンアプリでも文字認識によって手書きされた紙の文字をテキストデータに変換したり、翻訳技術と組み合わせて文字にかざすだけで翻訳したりするなど、さまざまな用途で使われています。 画像認識の活用事例 ここでは、実際に画像認識がどのように活用されているかの事例を4 つご紹介します。 1. デジタル地図データの開発 カーナビゲーションや地図アプリに必要なデータとして、建物や店舗、道の形状以外にも道路情報や道路標識など、さまざまな交通情報が必要です。AIを使わない場合、担当者が現場の写真を細かく目視でチェックし、情報を記録・更新する作業が行われています。しかし、AIで停止線や横断歩道などを検出すれば、担当者の業務工数を減らし、業務効率化やヒューマンエラーの防止になるでしょう。 2. インフラの劣化点検 インフラ設備が経年劣化した際、企業は的確な対応を行わなくてはなりません。劣化箇所の点検を目視で行っていると、担当者の負担にもチェックの抜け漏れにもつながります。そこで、AIのディープラーニングを利用して劣化箇所を確実に検出することで、作業の効率化や抜け漏れを防いでいるのです。 3. 農薬散布の自動化 AI搭載ドローンの画像認識技術により、害虫や虫食いの葉の位置を特定し、必要な箇所に必要な量の農薬だけを散布する低農薬農法も行われています。害虫のいる場所にだけピンポイントで散布できるため、撒かなくても良い分の農薬を削減したり、農薬散布にかかる人手を減らしたりできます。また、低農薬という付加価値がつくことで、一般的な農産物よりも高値で取引されることもあります。 4. 自転車の危険予知 近年、自動運転車が話題になっていますが、NTQでは自転車を使うユーザーが危険な場所に近づくと通知するシステムを開発しました。事故が起こりそうになるとセンサーが情報を収集してデータベースを作成・追加するという、更新性に優れたシステムです。モバイル端末から収集されたデータをリアルタイム処理し、機械学習に基づいて急ブレーキを検出したり、急ブレーキが発生した前後10秒間のビデオを保存したりすることで、さらにセンサー精度と情報分析機能を向上させています。 このケースにもあるように、画像認識というと自社開発のイメージが強いものの、オフショアでの開発も可能で、実際に行われています。 こちらの事例について詳しくは「自転車の危険予知システムの事例(オフショア開発事例)」を、ぜひご覧ください。…
業務効率化を目指して、Office365やG Suite、Dropboxなど複数のサービスやシステムの活用が同時に普及していますが、その代償として、従業員にIDとパスワードの入力や管理の負担が増加し、効率化とは逆の効果が出てしまうこともあります。 このような問題を解決するソリューションとしてシングルサインオン(SSO)の導入が進んでいます。この記事ではシングルサインオンの定義、そのメリット・デメリット、そして認証方式について詳しく解説します。 ① シングルサインオン(SSO)とは シングルサインオン(Single Sign On、SSO)とは、1つのIDとパスワードで複数のWebサービス・クラウドサービス・アプリにログインできるようにする認証技術です。つまり、認証を1度行うだけで、利用する複数サービス、アプリのセキュリティ確保ができます。 ② シングルサインオン(SSO)を導入するメリット シングルサインオン(SSO)を導入することで、企業とその従業員は以下の3つのメリットがあります。 ・ユーザの負担が軽減する 業務で利用するサービスが増加するとともに、ログインの負担(IDやパスワードの入力)が大きくなります、毎日、複数のサービスにログインを繰り返す必要があり、従業員の心の負担はもちろん、作業時間もかなりかかります。 そのため、シングルサインオンを活用することでユーザビリティを向上させます。その負担と時間を削減し、生産性の向上も期待できます。事業の観点から長期的に見れば、売上の増加にもつながると考えられます。 ・セキュリティが確保できる 各サービスがIDとパスワードでセキュリティを確保するため、パスワードの文字列は長いほどと良いと推奨されていますが、それぞれの記憶と管理は面倒です。そのため、従業員側の対策として覚えやすいパスワードや同じパスワードを設定したり、付箋などにパスワードを貼ったりすることがありました。そのような対応は、逆効果になり、不正アクセスのリスクが高まります。 シングルサインオンを使用することで、複数のパスワードを覚えなくても済みます。1つのパスワードだけ記憶すればいいですので、長く複雑な文字列のパスワードを選ぶ方ことも多くなります。そうすることで、全体のサービスのセキュリティが確保できます。 ・コストが低い 実は、複数のサービスを利用する際のユーザビリティを向上させるためには各サービスのIDを統合する方法があります。しかし、この方法は全てのサービスのカスタマイズ・統合が求められるため、コストとハードルが高くなります。 それに比べれば、シングルサインオンはコストが安く、導入期間も短くなります。そのため、シングルサインオンを使用するユーザーが圧倒的に多くなりました。 ③ シングルサインオン(SSO)を導入するデメリット シングルサインオンはメリットが多い一方、デメリットもありますので、導入を検討する際、経営者はあらかじめ以下通りのデメリットを注意しておきましょう。 ・パスワードの漏洩による損害が大きい シングルサインオンで利用するサービスのアクセスが連携することになり、ID・パスワードが万が一漏れしてしまうと、関連するサービスへの不正アクセスされるリスクがとても高いです。そのため、シングルサインオンを活用すると、ID・パスワードの管理は一層重要となります。 ・管理システム停止により全てのサービスに影響を与える シングルサインオンでは、認証情報を特定のシステムに管理されるため、仮にそのシステムが停止したら、関連するサービスがログインできなくなる可能性があります。経営に関わるサービスまでもシングルサインオンを導入すれば、事故が発生すると、企業全体が停止してしまいます。そのため、重要なシステムやサービスのID・パスポートはシングルサインオンでなく、別に管理したほうが良いと言えます。 ・導入コストが必要である シングルサインオンを実現するためには、自社サーバーに専用のソフトウェアをインストールするオンプレミス型のタイプと、専用のクラウドサービスを利用するタイプがあります。オンプレミス型は特に初期導入時のコストが高額となる可能性がある一方、クラウド型は導入時のコストは少なくてすむものの、毎月の費用がかかるため利用期間が長くなれば、それだけコストがかさむことになります。 シングルサインオンを導入するにはコストがかかりますが、一般的にはオンプレミス型とクラウド型という2つの提供形態があります。前者は自社サーバーを用意することが必要ですので、初期導入時のコストが高額です。後者は導入コストは少ないですが、月額課金制のため、利用期間が長くなれば、それだけのランニングコストも発生します ④ シングルサインオン(SSO)の5つの方式と仕組み 一般的にシングルサインオン(SSO)の実装方式は5つあると考えられています。ここではそれぞれの仕組みと特徴を解説いたします。 ・エージェント方式 エージェント方式は名前通りにWebアプリのサーバーにシングルサインオンを実行するためのエージェントモジュール(認証機能)を設置する方式です。エージェントとSSOサーバーがcookieで複数アプリへの自動的なログインを実施します。しかし、対象のWebアプリがクラウドサービスである場合、この方式の実施が難しいこともあります。 ・リバースプロキシ方式 リバースプロキシ方式は全部のシステムの認証をリバースプロキシサーバーのサーバーで行う方法です。そのリバースプロキシサーバーは端末とWebシステムの間に組み込まれるため、エージェントの導入が難しい場合、この方式がよく使われています。ただし、Webアプリのサーバーに代理認証機能がないと改修が必要です。 ・代理認証方式 代理認証方式ではユーザーの端末にエージェントをインストールすることで、WebアプリにID・パスワードなどの認証情報を専用のサーバーによって自動で入力する方式です。エージェント方式とリバースプロキシ方式と組み合わせて導入されることが多くあります。また、エージェント方式が使えないレガシーシステム向けの方式としても知られています。 ・透過型方式 透過型方式では、ユーザーがWebアプリへにアクセスする際の通信を監視し、認証が求められる時のみ、認証情報を送信します。他の方式に比べて、かなり新しい手法であり、導入にかかわる手間とコストが少し削減できます。 …
WEBアプリケーションとは、スマートフォンやパソコンにダウンロードするアプリではなく、WEBブラウザ上で動作するアプリのことを指します。WEBアプリケーションはどんな仕組みで動いており、どのような開発手順を踏んで開発されるのでしょうか。本記事では、WEBアプリケーションが動作する仕組みや開発手順に加え、開発言語の特徴もあわせてご紹介します。 WEBアプリケーションとネイティブアプリの違い 一般的に「アプリ」と聞くと、タブレットやスマートフォン上で動くアプリをイメージする方も多いでしょう。これらのアプリは「ネイティブアプリ」と呼ばれています。一方、WEBアプリケーションとは、WEBブラウザ上で動く、双方向のサービスを利用できるアプリケーションのことを指します。WEBアプリケーションの例として、YouTubeやTwitterのようなSNS、各種ECサイトネットバンキングなどが挙げられます。 ネイティブアプリは端末へインストールするため、オフライン環境でも利用できたり、プッシュ通知を使ったりできるメリットがあります。反面、一から開発するにはコストがかかること、各種アプリストア経由でダウンロードしてもらうための利用料もかかることなどがデメリットです。 WEBアプリはオフライン環境では利用できず、プッシュ通知も基本的に使えないものの、WEBブラウザからサイトへアクセスするだけで使えるハードルの低さが大きなメリットです。アプリストア経由でダウンロードしてもらう際の利用料を支払う必要もありません。 WEBアプリケーションの仕組み WEBアプリケーションは、大きく分けてフロントエンド、バックエンド、データベースの3つの部分からなっています。近年、ECプラットフォーム関連で「ヘッドレスコマース」という言葉がよく聞かれますが、フロントエンドとバックエンドを完全に切り離し、フロンドエンド開発の自由度を大きく広げた例が「ヘッドレスコマース」です。 WEBアプリケーションが動作する流れを簡単に説明すると、フロントエンドでユーザーが操作した内容をバックエンドで処理し、必要に応じてデータベースに記録したり、データベースからデータを取り出したりしてフロントエンドに返事を返す、というものです。それぞれの部分について、詳しく見ていきましょう。 フロンドエンド フロントエンドはクライアントサイドとも呼ばれ、WEBアプリケーションにアクセスした際、ユーザーから視認できる部分、ユーザーが実際に利用できる部分のことです。例えば、ECサイトで買い物をする際、商品ページやカート、購入システムなどがフロントエンドにあたります。 バックエンド バックエンドはサーバーサイドとも呼ばれ、ユーザーから直接見えない部分でユーザーが指定した処理を行う、いわば内部の管理部分と言えます。前述のECサイトで商品を購入する場合、ユーザーが購入した商品の情報を店舗側に送信したり、購入履歴を保存したりするのがバックエンドの役割です。 データベース データベースでは、WEBアプリ上で指示されたユーザーからの要求に応じ、情報を記録したり取り出して表示したりします。大量に保存されたデータを管理するだけでなく、必要なときに取り出しやすいようまとめるのもデータベースの役割です。特に、動画サイトなどでは大量の動画データを管理するためにデータベースが使われています。 WEBアプリケーションの開発手順 WEBアプリケーションを開発するには、以下の手順で行います。 1. WEBアプリケーションの仕組みを理解し、どんなアプリを作るか決める まずは前章で述べたようなWEBアプリケーションの仕組みを理解し、どんなWEBアプリケーションを作りたいか決定します。フロントエンドに表示するもの、バックエンドでの処理、何をデータベースに残すか、そしてユーザーが最終的にどんなことができるWEBサービスなのか、まで決める必要があります。 2. プログラミング言語を選ぶ どんなWEBアプリケーションを作りたいか決めたら、最適なプログラミング言語を選びます。プログラミング言語について詳しくは後述しますが、フロントエンドやバックエンドに向いたプログラミング言語、AIやディープラーニングに向いたプログラミング言語など、言語によって強みが異なります。作りたいWEBアプリケーションの仕様によって選びましょう。 3. フレームワークや開発環境、ツールを選ぶ フレームワークとは、WEBアプリケーションを開発するうえで必要な機能や処理をパッケージングしたもので、開発を効率化し、スピードアップが可能です。開発環境とは、そのフレームワークやプログラミング言語のインストール、コードを書くためのエディタ、プログラミングした内容を実行する環境などのことで、これらがないと開発が行えません。 フレームワークの詳細については、「【2022年版】Webフレームワークのベスト10選!」もご覧ください。 4. 実際にWEBアプリケーションを開発する 最後に、実際にWEBアプリケーションを開発します。複数人で開発を行う場合、GitHubのような共有ツールがよく使われます。 WEBアプリケーションの開発言語 WEBアプリケーションの開発言語には、以下のようなものがあります。 HTML、CSS WEBページのデザインを作るために使われるプログラミング言語です。HTMLとCSSは組み合わせて使われるのが一般的で、HTMLで基本の構造を作り、CSSで装飾を行います。 JavaScript フロントエンドでWEBページに動きをつけるために使われたり、バックエンドでリアルタイム処理をしたりするのに使われるプログラミング言語です。 PHP WEBサイト向けに特化しているため、多くのWEBアプリケーションで使われているバックエンド向けのプログラミング言語です。スマートフォンアプリの開発には使えませんが、デスクトップアプリの開発は可能で、コーポレートサイトから個人ブログまでさまざまに活用されています。 PHPでの開発のメリット・デメリットを解説した、以下のブログもぜひ参考にしてください。 「【まとめ】開発会社だから語れるPHPのメリットとデメリット」 Ruby 1995年に日本人が開発したプログラミング言語で、「Ruby on Rails」というWEBアプリケーション向けのフレームワークがあることで有名です。膨大なデータ処理や複雑な計算を行うような、データベースと組み合わせたシステム開発にも向いています。 Python 統計処理や数値処理を得意とするため、AIや人工知能、機械学習などに向いているプログラミング言語として、近年注目を集めています。システムの根幹を開発するC言語との相性も良く、フレームワークの種類が多いのも特徴です。 C# C言語やC++言語からさらに改善され、2002年にMicrosoftがリリースしたC系言語で、「.NET Framework」を使えることでWEBアプリケーションとの相性が非常に良いプログラミング言語です。フロントエンドにもバックエンドにも、ゲームの開発にも使われている汎用性が大きな特徴です。 C#言語での開発のメリット・デメリットを解説した、以下のブログもぜひ参考にしてください。 「【まとめ】開発会社だから語れるC#での開発のメリットとデメリット」 まとめ:WEBアプリケーションの仕組みや開発手順を知り、最適な開発言語を選ぼう WEBアプリケーションは大きく分けるとフロンドエンド、バックエンド、データサーバーの3つに分けられ、ユーザーがフロントエンドから出した指示に対してバックエンドで処理を行い、必要に応じてデータサーバーを参照し、指定されたデータや結果を返す、という仕組みで成り立っています。 WEBアプリケーションには、作りたいものによって向いているプログラミング言語があります。例えば、NTQでは特にPHPとC#に強く、PHPではECサイトや予約システム、医療系や採用システムなど、C#では仮想動画アプリやカメラアプリ、翻訳システムや言語学習アプリなどの開発を行ってきました。作りたいWEBサービスに合ったプログラミング言語を選びましょう。
IT技術が進化しビジネスのスピードが加速するなか、システムやソフトウェアの開発環境も多様化しています。なかでも注目されているのがスクラム開発です。ただし、その用語を聞いたことがあっても、他の開発方法とどのように違うのかわからないという方もいるのではないでしょうか。本記事では、アジャイル開発やウォーターフォール開発との違いを押さえたうえで、スクラム開発の特徴やメリットをわかりやすく解説していきます。 スクラム・アジャイル・ウォーターフォール開発の違いと位置づけ アジャイル開発とは開発スタイルの総称で、その中の代表的な手法の1つがスクラム開発です。 アジャイル開発とは、短いサイクルで設計、開発、実装、テストをすばやく繰り返し、優先順位の高い機能を順番にリリースしながら、全体の完成を目指す手法です。開発を小単位に区切り、各機能をユーザー側でテストすることで、開発途中での仕様変更も柔軟に対応できます。 アジャイル開発の詳細については、「アジャイル開発とは何か?変化に即応してユーザーの要望を最大限実現する手法とは」もご覧ください。 スクラム開発とは、アジャイルの考え方を、ラグビーのスクラムのようにチームを組んで役割やタスクを分散させつつ、コミュニケーションを重視したフレームワークのことです。 一方、ウォーターフォール開発とは、アジャイル開発と対比される従来の開発方法を意味します。あらかじめ立てた開発工程を計画通りに実行していく開発方法で、進捗状況は把握しやすいですが、途中で仕様変更しづらいという特徴があります。 つまり、アジャイル開発の一種であるスクラム開発とは概念が大きく異なるのです。 ウォーターフォール開発の詳細については、「システム開発の上流工程とは?起こりうるリスクや管理の重要性を解説」もご覧ください。 スクラム開発の論理と3つの柱 スクラム開発は、1990年代に米国の技術者によって生み出され、「スクラムガイド」で定義されています。これをもとに特徴を紹介していきましょう。 スクラム開発の論理 スクラム開発は、経験から生まれる知識と観察に基づき意思決定する「経験主義」と、無駄を省き本質に集中する「リーン思考」に基づいています。スクラムが機能するのは、それらの論理をもとにした「3つの柱」を実現しているからでしょう。 3つの柱 透明性開発や作業内容はチームメンバーやその作業結果を受ける人に見えるようにしておくことが大切です。透明性によって検査が可能になるため、それが欠けた状態では誤解を招き、無駄なものとなる恐れがあります。 検査常に事案を検査し、問題の発見・解決を繰り返していきます。スクラム開発は変化を引き起こすことを前提としているため、検査には適応が大きなポイントです。 適応検査結果への対応はもちろん、作業中も適宜、手法やプロセスの見直しが必要です。スクラム開発では、検査によって新たに学んだことに対し、即時に適応することが期待されています。 スクラム開発のルール「3・5・3」 スクラム開発におけるルールは、「3つの役割」「5つのイベント(うち1つは任意)」「3つの作成物」といわれています。具合的に説明していきましょう。 3つの役割とは プロダクトオーナー(PO) 要件を定義し、最終的にソフトウェア開発者の成果を評価するプロジェクトの責任者です。必要な機能の選択や機能優先順位決定などのビジョンを考え、チームのメンバーに説明、共有します。スケジュールや予算管理なども行います。 スクラムマスター(SM)スクラムがうまく回るように全体を調整するチームリーダーの役割です。チームで出た課題を解決するため、外部交渉やメンバーとの相談でプロダクトを円滑に進めるため、調整していきます。 開発メンバープロダクトの品質や計画・専門性に責任を持つ開発者です。 チーム構成は通常10人以下で、人数が少ないほど生産性が高い傾向にあるといわれています。 5つのイベントの概要と目的 スクラムイベントとは、スクラム開発を実践するうえで必要なミーティングで、プロダクトの検査と適応の機会となります。スプリントと呼ばれる、アウトプットするまでの一定期間のなかで、行っていきます。「スクラムガイド」は4つのイベントとして定義していますが、今回は「リファインメント」という作業も加え、「5つのイベント」として流れを見ていきましょう。 1. スプリントプランニング スプリントのゴールとその達成のために必要な作業を計画するイベントです。アウトプットまでの期間に何をするのかをチームで話し合います。チームのビジョンを明確にして共有するためにも、最高責任者であるプロダクトオーナー(PO)と開発メンバーの出席は必須です。この時点では、スクラムマスター(SM)は任意参加で構いません。このとき、スプリントバックログ(スプリント期間中にチームが取り組む作業アイテムを明確にするための手段)を作成し、アイテムの洗い出しをしておきます。 2. デイリースクラム スプリントゴールが達成できるか、進捗を検査するためのイベント。チームの問題や課題を早期発見するためのものですので、開発メンバー主体で行います(PO、SMの参加は任意)。原則としては、毎日決まった時間に同じ場所で手短に行うのが良いとされています。業務の進捗状況や問題点、解決したことなどを共有。必要に応じて、この後に関係者を絞って話し合います。 3. リファインメント (任意) プロダクトバックログアイテム(以下PBI)を明確にするイベントです。PBIとは、開発チームが目標を達成するために、必要となるアイテムやタスクに優先順位をつけてリスト化した一覧に登録されているタスクのことです。チーム内の認識を合わせることを目的としているため、POと開発メンバーの出席は必須です (SMの参加は任意)。期間中、任意のタイミングで開催され、PBIの内容や見積もり、優先準備などの内容を確認し、詳細化します。 4. スプリントレビュー スプリントの成果を確認し、結果を原因に反映させて調節していくイベントです。POと開発メンバーが戦略を練るために行います(SMの参加は任意)。最終段階の前に実施し、フィードバックをもとに話し合い、今後に向けた改善策を見つけていきます。 5. レトロスペクティブ スプリント中の活動や過程を振り返るイベント。チーム全員が参加し、問題を改善し、良かった点や反省点を共有し、次回に生かしていきます。最後に実施され、この完了をもってスプリントが終了します。 3つの作成物 スクラム開発を実施するうえで作成するものが3つあります。それぞれ見ていきましょう。 プロダクトバックログプロダクトの開発や改善に必要なタスクを優先度順に並べた一覧。チームのメンバー全員で共有することで、誰がどのような作業内容をするかが確認でき、ゴールを共通認識できます。 スプリントバックログスプリントで実施するプロダクトバックログの項目を実行可能なタスクレベルにまで詳細化したものです。開発メンバーで日々チェックすることで、ゴールが達成できるかを検査し、リスクに適応するための行動計画を立てていきます。 インクリメントのための完成の定義「スクラムガイド」では、完成の定義とは、プロダクトの品質基準を満たすインクリメント(プロダクトゴールに向けた具体的な踏み⽯)の状態を示した正式な記述とされています。つまり、完成の定義を満たすことで、何をもって作業が完了、完成したか、チーム全員が共通認識できるようになります。スクラム開発を始める前に作成しておくことで、メンバーによって完成の精度が異なるといったことを避けられるでしょう。 スクラム開発のメリット スクラム開発をすることで、どのようなメリットが得られるでしょうか。 問題点を早期発見しやすい スクラム開発は、チーム内でのミーティングで常に目標や進捗状況などを確認・共有する透明性を特徴とします。これによって、問題点を早期に発見しやすい体制にあり、問題が起こるたびに素早く改善・軌道修正していけるため、プロジェクトがスムーズに進捗しやすいでしょう。 生産性の向上が期待 目標が明確であることから、各メンバーには指示待ちの姿勢がなく、主導的に仕事を進めていくため、作業が効率的です。ひいては生産性の向上が期待できるでしょう。各スプリントで動作可能な機能を開発し、必要な機能がそろったタイミングでリリースできるため、短期間で成果を出しやすい傾向にあります。 仕様変更に柔軟な対応 アジャイル開発の特徴である柔軟性を踏襲しており、プロジェクトの途中での急な仕様変更に対応しやすいこともメリットの1つです。さらにスクラム開発のスプリントは短めに設定されていることから、成果物に対するフィードバックを次のスプリントに反映させ、仕様変更に対応していけるでしょう。…
話す、書くなど私たちが日頃コミュニケーションを取るときに用いる自然言語には、複数に意味を解釈できるあいまいさも内包しています。この自然言語をコンピュータが意味を絞りながら解析する技術が自然言語処理(NLP)です。近年、文字入力の予測変換やスマートスピーカーの音声対話システムなどで、さらに身近なものになってきているのではないでしょうか。本記事では、自然言語処理の仕組みや、AI(人工知能)の分野でどのようなことができるのかを解説します。 自然言語処理とは 自然言語処理(natural language processing)とは、人の話し言葉や書き言葉をコンピュータが解析する処理技術を指します。 人の言葉にはあいまいさが含まれています。たとえば、「私は小さな犬と猫が好き」の場合、「小さな犬」と「小さな猫」なのか、「小さな犬」と「猫」なのか、いずれの意味合いにも取れます。実際、日常会話において、どちらの意味なのかを聞き直したことがある人もいるのではないでしょうか。 このようなあいまいさを踏まえ、機械が自然言語を解析処理するには高度な技術を要します。 自然言語処理の仕組み では、自然言語処理の仕組みとはどのようなものでしょうか。大きな軸となるのは、前段階の「データ収集」と「4段階の工程処理」です。流れとしては、データ収集→4段階の工程処理→必要な情報を抽出してのコンピュータ処理、という形で行っていきます。2つの軸について詳しく説明していきましょう。 データ収集 データ収集には、コンピュータが語彙を理解するための「機械可読目録」と、言語の使用方法を記録、蓄積した文書集合である「コーパス」を用います。 機械可読目録書き言葉の書籍情報や関連情報を機械が理解できるように置き換えた通信規格。つまり機械が語彙を正しく理解するための辞書のような役割を担っています。 コーパス自然言語の文章を構造化して大規模に集め、記録したもの。わかりやすく言うと、「膨大な文例集」のようなもので、これを使うことで状況に適した言葉の意味や使い方を理解できるようになります。 4段階の処理工程 機械可読目録とコーパスのデータ収集の用意が完了後、自然言語処理は主に「形態素解析」→「構文解析」→「意味解析」→「文脈解析」という4段階の工程で行っていきます。それぞれの工程について説明しましょう。 1. 形態素解析 文章を最小の単位(形態素)に分割する作業です。 たとえば、先ほどの文章、「私は小さな犬と猫が好き」の場合、「私」「は」「小さな」「犬」「と」「猫」「が」「好き」という形態素に分割できます。この作業を行うことで、文章のなかの形態素の意味を抽出できるようになります。 2. 構文解析 単語同士の関係性を解析することです。 単語や文節間の「修飾・被修飾関係」や「係り受け関係」などの依存関係をもとに文章の構造を解析、構文木(ツリー)と呼ばれる図式で表現されます。つまり、「どの単語がどの単語にかかるのか」を構文として解析します。 3. 意味解析 構文解析された文章内の意味を解釈していくことです。 複数の意味にとれる文章では、前後の単語とのつながりを踏まえて適切な候補から絞り込む必要があります。また、日本語には「はし」や「あめ」などのように1つの単語が複数の意味を持つ場合もあり、難易度の高い処理工程です。 4. 文脈解析 複数の文章に対して、文と文のつながりを解析する工程。単語や文脈の意味合いだけでなく、文章が書かれた背景といった幅広い領域にまで及ぶため難易度はもっとも高く、未だ課題の多い分野といわれています。 AI領域での自然言語処理の活用 AI領域において、自然言語処理はどのように活用されているのでしょうか。 対話型AI 自然言語処理で検索やデータ照合を行い、結果を音声データに変換してユーザーに答えるシステムです。いくつか代表的なものを紹介しましょう。 AIチャットボット 名前の由来は「チャット(chat)」とロボットを意味する「ボット(bot)」から。ユーザーが打ち込んだ短文の意味を理解し、リアルタイムに文章や音声で回答するAI搭載型のプログラムです。 パソコンやスマートフォンなどに搭載されているAIアシスタントサービスもそのひとつで、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。 ビジネスに活用できるものもあり、たとえばNTQのAI チャットボット「NTQbot」の場合、データを収集し、分析・分類する機能があるため、顧客一人ひとりにあわせた商品やサービスの提案やコミュニケーションに役立つでしょう。作成したチャットボットは他のツールとの連携や、音声でのやり取りを行うバーチャルアシスタントとしても利用できるため、顧客に合わせてコミュニケーション方法を分けるのも便利かもしれません。 詳しくは、「NTQbot(AI Chat Bot)」をご覧ください。 AIスピーカー スマートスピーカーと呼ばれるもので、この対話システムも自然言語処理のひとつです。さまざまな指示に対し、その自然言語を的確に解釈し、指示された操作を実行していきます。 テキストマイニングから文章要約まで テキストマイニングとは、自由形式で記述された文章から新しい情報を抽出する分析手法のことです。ここでも自然言語処理は用いられています。たとえばSNSへの投稿をはじめとした大量の文字情報を単語単位に分割し、出現頻度や投稿時期などを分析し、有効な情報を抽出します。 また、文書要約とは、AIが文章の内容を理解し、自動で要約することです。主要な単語や文章を抽出して要約する「抽出的要約」と、内容を反映させながら自然な文章を生成する「生成的要約」があります。 NTQのオフショア開発事例であるスマート・ドキュメント・システムは自然言語処理を活用し、クラウドベース(AWS)でのレポート管理やAIによるテキストの構造分析、AIによる同様のレポート推奨の機能を持っています。企業がレポートコンテンツを自動的に管理・分析するために役立つものです。 詳しくは「スマート・ドキュメント・システム(オフショア開発事例)」をご覧ください。 文字予測変換 文字予測変換とは、日本語を入力した際に自動変換してくれるソフトウェアです。パソコンやスマスマートフォンなどでごく自然に利用している人が多いのではないでしょうか。入力内容に基づいてテキストを予測したり、関連する単語を提案したりしてくれ、近年はその精度が上がっているといわれています。また、学習機能によって、よく使用する単語やフレーズが文字予測に出てくるように、使用する人にあわせてパーソナライズされていきます。 機械翻訳 自然言語処理を使い、外国語と日本語の翻訳をします。あいまいな表現は前後の意味合いをみて判断。英語、日本語、中国語などさまざまな言語に対応するものもあります。なかには、音声やカメラで直接スキャンしたテキストから翻訳するものも登場しています。 自然言語処理を用いて高性能なアプリ開発を 自然言語処理は、AIが人間の自然な言葉を把握できるようになるための技術です。私たちの身近にも音声認識や翻訳などで活用されています。…
ブロックチェーンと言えば、一般には仮想通貨がよく知られています。しかし、ブロックチェーンの技術は日々進歩・改善されていて、現在では金融や各種取引だけでなく、さまざまな分野で活用されています。今回は、ブロックチェーンの可能性を知りたい方に向けて、ブロックチェーンの基本的な概要や仕組みと種類、活用事例についてご紹介します。 ブロックチェーンとは ブロックチェーンとは、取引の履歴を1本の鎖(チェーン)のようにつなげて正確な取引履歴を維持するための技術です。誰もが取引履歴を共有できるようにすることで、不正な取引や改ざんが非常に行いにくい仕組みになっています。中央集権的に管理者がいる従来のWeb取引システムとは異なり、参加者が分散型の管理を行うことで、分散管理型のシステムとも言われています。 ブロックチェーンは主にビットコインのような仮想通貨や暗号資産、デジタルデータに唯一無二の非代替性をもたらすNFTなどの分野に用いられています。こうした特性から取引データを一手に引き受ける大規模コンピュータ、サーバなどが必要なく、分散型のネットワークによって構成されることから、低コストで運用できること、管理者がなくても取引データの信頼性が保てることなどが大きな特徴です。 ブロックチェーンの仕組み ブロックチェーンでは、ネットワーク内で発生した取引の記録を「ブロック」と呼ばれる記録単位に格納し、時系列に沿ってチェーンのようにつなぐことで正確な取引履歴を残すことができます。ブロックには取引記録だけでなく、ハッシュと呼ばれる一定量の情報を圧縮したデータを残すことで、より改ざんや不正が行いにくい仕組みになっています。 なぜなら、ブロックのうち1つを改ざんしようとすると、チェーンによってつながったすべてのブロックの取引記録やハッシュ値を変更する必要があるためです。しかも、改ざんしていない正しい取引データは分散されて多くのネットワーク参加者に共有されているため、改ざんや不正をするためにはそのデータもすべて改ざんしなくてはなりません。このようなことは、現実的に不可能です。 こうした理由から、ブロックチェーンは不正や改ざんが行われにくい仕組みとして、また、Web3.0時代を牽引する分散管理型システムとして注目されています。 Web3.0については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。 「Web3(Web3.0)とは何か?「次世代インターネット」の特徴を徹底的に解説」 ブロックチェーンの種類 ここまでブロックチェーンの基本的な概要と仕組みをご紹介しましたが、ブロックチェーンにはさらに3つの分類があります。それぞれの種類について、簡単に見ていきましょう。 パブリック・ブロックチェーン もっとも基本的なブロックチェーンで、管理主体が存在せず、参加もノード(ブロックチェーンにおけるチェーンの始まり)を立てるのも自由な形式です。分散型管理システムをもっとも体現した仕組みと言えるでしょう。パブリック・ブロックチェーンは完全にオープンな形式であることがもっとも大きな特徴で、管理者がいなくても情報共有と相互監視があるため、正当な取引であることが証明できます。 誰でもデータを参照できることから透明性が高く、コンセンサス(取引に関する合意)を求めるにあたって、中央集権的な管理者に許可を取る必要がありません。この点で、パーミッションレス・ブロックチェーンと呼ばれることもあります。 一方、取引すべての情報を記録するために多くの処理と時間を要することから、スピーディな取引には向かないとされています。 プライベート・ブロックチェーン 単一の管理主体としての組織が存在し、参加も許可制というWeb2.0のような中央集権型のカラーを非常に色濃く残したブロックチェーンです。外部に公開されないことでプライバシーが保たれるほか、不特定多数の合意形成を行う必要がないことから、パブリック・ブロックチェーンと比べて迅速な処理が可能です。 取引の合意形成に管理者への許可が必要なため、パーミッションド・ブロックチェーンと呼ばれることもあります。プライベート・ブロックチェーンは管理者が攻撃されたり、サービス終了で取引も終わったりするデメリットがあり、企業や組織内のみで使うのに向いています。 コンソーシアム・ブロックチェーン 複数の管理主体としての組織が存在するため、プライベート・ブロックチェーンよりは分散型に近いものの、参加は許可制であり、中央集権型のカラーも残しているというちょうどパブリック・ブロックチェーンとプライベート・ブロックチェーンの中間をいくブロックチェーンです。参加が許可制なことから、これもパーミッションド・ブロックチェーンと呼ばれることがあります。 一方で、コンソーシアム・ブロックチェーンは分散性と迅速性のいいとこ取りをしたモデルとも言えます。パブリック・ブロックチェーンでは分散管理によって正当性や透明性を担保し、プライベート・ブロックチェーンでは迅速な合意形成を可能にしました。その両方をうまく組み合わせたのがコンソーシアム・ブロックチェーンです。複数の企業が関わるプロジェクトや、一部の仮想通貨に使われています。 ブロックチェーンの活用事例 ここでは、ブロックチェーンの活用事例を3つご紹介します。 仮想通貨、暗号資産 ブロックチェーンは仮想通貨や暗号資産からスタートしたことから、代表的な活用事例と言えるでしょう。現実の通貨ではなく、ネットワーク上の仮想通貨として商品の対価に使えます。各国の中央銀行でデジタル通貨の発行にブロックチェーンを導入することも検討されていて、中国では既に実証実験も行われているようです。 デジタル証明書 感染症の検査結果やワクチン摂取記録など個人の健康情報や、パスポート情報の管理などをブロックチェーンで行えるようにしたものです。特に新型コロナウイルス感染症の流行が問題になっている昨今、検査結果やワクチンの接種記録は渡航許可といった公的な書類に必要なケースがあります。ブロックチェーン技術を用いることで、改ざんや情報漏えいを防ぎ、正しい検査結果や接種記録を必要な人だけが参照できます。 スマート工場 工場のシステム基盤にブロックチェーンを導入し、工場機械や生産ラインに接続したコンピュータを介して生産性や品質管理の工場をはかる「スマート工場」の実証実験が2021年に行われました。これにより、複数の関係者間で別々に管理されていた情報が共有しやすくなり、情報漏れを防ぎながらトラブルにスピーディに対応できたり、改ざんリスクを減らしたりできるようになりました。 ブロックチェーンとAI ブロックチェーンにAI(人工知能)の技術を導入することで、将来的にさらなる可能性がもたらされると期待できます。例えば、仮想通貨や暗号資産の合意形成に関する過程にAIの処理能力を導入すれば、よりスピーディな取引が可能になるでしょう。医療分野でAIを活用することで、ブロックチェーン上の患者データを解析して、患者のプライバシーを保ったままより適切な医療が提供できるかもしれません。 また、紙ベースのプロセスをデジタル化するにあたり、ブロックチェーンを用いてより信頼性・透明性の高いものにすると同時に、AIによる自動化や効率化をはかることもできます。このように、ブロックチェーンとAIは一見関係がなさそうに見えますが、実は組み合わせることでより将来的にさまざまな分野での可能性が期待できる技術です。 まとめ:ブロックチェーンは不正や改ざんが行われにくい、可能性の多いシステム ブロックチェーンとは、取引の履歴を1本の鎖(チェーン)のようにつなげて正確な取引履歴を維持するための技術です。誰でも取引履歴にアクセスできるようにしたり、ハッシュと呼ばれるこれまでの取引データを一緒に残したりすることで、不正や改ざんが行われにくいような仕組みになっています。特に、パブリック・ブロックチェーンは、データの透明性や分散性などで脱・中央集権型のWeb3.0を代表する仕組みです。 一方で、プライベート・ブロックチェーンやコンソーシアム・ブロックチェーンなど、プライバシーを残しながらもブロックチェーンの信頼性や取引記録を利用したシステムも現れました。これらブロックチェーンの技術とAIの情報処理技術を組み合わせることで、さらなる可能性が生まれるかもしれません。ブロックチェーンとAIの融合をお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。 お問い合わせページ
ビジネスの各分野でAI(人工知能:Artificial Intelligence)が注目されています。特に自動運転や医療分野、顔認識によるセキュリティ分野、AIスピーカーのようなスマート家電分野では、ここ数年で急速に発展・普及してきました。 日本の抱える人口減少や少子高齢化に伴う人手不足の解決手段として、あるいは新型コロナウィルス感染症をきっかけとしたニューノーマルな社会の形成など中長期な視点において、ビジネスにおけるAIの活用・普及は今後も存在感を増していくことでしょう。ここではAIが注目される理由と、これからのビジネスに与えるインパクトについて解説いたします。 AI(人工知能)とはなにか AIの定義 日本語で人工知能と言われるAIは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略称です。一般社団法人人工知能学会(※)では、AIという言葉の生みの親であるジョン・マッカーシー教授の言葉を「知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と翻訳して紹介しています。 AIは現在、「第3次AIブーム」と言われています。これは、過去に数回繰り返された、かつてのAIブームとは異なります。かつてブームとなったAIは、与えられた情報に対して最適解を導くものでした。現在のAIでは、ベイズ統計学や機械学習の実用化によって、ビッグデータ(数値やテキスト、画像、音声など大量のデータ)からコンピュータ自身が「自ら学ぶ」時代になったと言えるでしょう。 また、知識を定義する要素(特徴量)をコンピュータが自ら習得する深層学習(ディープラーニング、特徴表現学習とも呼ばれる)が登場したこともその特徴です。 以降は、現在のAIを表すキーワードである「学習」の仕組みについて見ていきます。 ※ 一般社団法人 人工知能学会では人工知能の各分野で研究交流を行っています。人工知能(AI)の産業応用に関するシンポジウムの実施、会誌の発行、一般の研究発表のほか、招待講演などが主な活動内容です。 一般社団法人 人工知能学会サイト AIの仕組み 機械学習とディープラーニング 機械学習とは、データを分析する方法のひとつです。データを用いて「機械」(コンピュータ)が自動で「学習」し、データの背景にあるルールやパターンを発見する方法からこのように呼ばれます。特に近年では、大量のデータから学習した成果に基づいて「予測・判断」することが重視されるようになりました。 機械学習でもっとも重視されることのひとつは予測精度です。データの背景にあるルールが正しく説明できているかどうかだけではなく、結果としてより正しく予測できているかどうかが重視されています。これによって、従来の仮説検証型のデータ分析では見つけられなかった新しい発見や高い精度の予測モデルを構築することが可能になりました。 ディープラーニングはこの機械学習の機能をさらに推し進め、データの背景にあるルールやパターンを学習するために、深層的(ディープ)な構造で考える方法です。一般的なデータ分析では、入力データと出力データの関係を直接分析しますが、ディープラーニングは、そこに中間層と呼ばれる構造を設け、さらに多層化(深層化)することで、さらに深くデータの背景にあるルールやパターンを考えることができます。 ディープラーニングについて詳しくは、「ディープラーニングとは?わかりやすく仕組みと具体的な活用事例を紹介」をご参照ください。 強いAIと弱いAI AIには「強いAI(汎用型AI)」と「弱いAI(特化型AI)」が存在します。強いAIは人間のような総合的な判断ができるAIです。あらかじめ人間が結果を考えてプログラミングしたり、そのためのデータを与えたりしていない場合でも、状況に応じてAIが自ら判断できることが、強いAIの特徴です。人間のように「想定外の状況に、過去の経験に基づいて学習、処理する」といった対応も可能になるとして期待が寄せられています。最終的なAIの到達点ですが、その理想の形は、現在まだ実現していないとされています。 これに対して弱いAIは、与えられた特定のタスクを自動的に処理するAIです。現在多くのサービスやシステムで実用段階にあるAIはこの「弱いAI」を指しています。弱いAIは、与えられた仕事に対しては自動的に処理ができる一方で、プログラムされていない、想定外の状況への対応はできません。つまり、人間の知性の一部分のみを代替し、特定のタスクだけを処理するAIです。囲碁のアルファ碁やiPhoneのSiriなどはこれに該当します。 AI技術とビジネスにおける活用例 AIと医療技術 AIが過去に蓄積された診断画像や健康診断の数値、各種の論文やデータ報告などの医療データを解析することで、病気の早期発見と適切な治療を見つけ提案することが可能になりました。人間では限界のある大量のデータ解析により、今まで見過ごされてきたさまざまな医療に役立つデータをピックアップできるようになりました。 実用化の例 米Amazonは、AIを使って患者の診療記録を分析することで、重要な情報を抽出するという新しいサービスを開始しました。医師や医療事務従事者がこれを利用することで、これまで手作業で行っていた処理から解放され、大幅な業務効率化を見込むことができるとしています。Amazon AIにより診療記録を分析・標準化できるサービスを公開|The Medical AI Times AIと自動運転 自動車の自動運転において、AIは運転にもっとも重要な認知のプロセスで利用されています。多くのデータを蓄積分析して認知プロセスで利用される人工知能は、画像処理の分野で力を発揮。車載カメラによって周囲を認知し、障害物や走行レーンを識別することによって、安全な自動運転が可能になります。 実用化の例 ホンダの出資するHelm.aiは、AI分野において「教師なし学習」に特化した研究開発を進めており、この技術が自動運転開発にイノベーションを起こすとされています。 「教師なし学習」で自動運転!ホンダも出資するHelm.aiの正体|自動運転LAB AIと自動翻訳 AIは自動翻訳の分野でも活躍が期待されています。自然言語分野で文脈などを読み取り判断して、より文脈に沿った単語を選択することで、人が翻訳したような自然な翻訳をする自動翻訳の技術に、ディープラーニングが活用されています。 実用化の例 特許翻訳に導入されているニューラル機械翻訳(NMT)の事例があります。 ニューラル機械翻訳の進展|日本特許情報機構 まとめ:現実のさまざまな問題の解決が期待されるAIの進化 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル博士は、2045年に人間の脳とAI(人工知能)の能力が逆転する「シンギュラリティ(技術的特異点)」が訪れることを予言しています。AIが人間の脳を超えるかについては多くの議論がありますが、囲碁や将棋などで見られるように、限られた範囲・ルールの中では人工知能が人間の能力を凌駕していることは現実になっています。 AI自体はまだ成長期の過程にありますが、今後も研究を進めることで、日本や世界が抱える社会課題を解決し持続的な経済成長を支えるでしょう。ここで挙げた例以外にも、小売、流通、医療、金融、農業、教育など、ますます多様な分野に進出していくことが期待されます。 NTQでは、AIに関する開発業務も承っております。具体的な開発だけではなく、AIを使って実現したい内容の相談から可能ですので、是非一度お気軽にお問合せください。また、以下のページでAIの開発事例の一部をご覧いただけます。 「AI × オフショア開発」「AI開発事例集ダウンロードページ」
https://jp.ntq.com.vn/wp-admin/admin-ajax.php
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