【NTQ Engineer Insight】誰でもアプリを作成できるプラットフォームPower Apps
例えば、自分自身のためだけのアプリが必要だとしましょう。そんな時、あなたが経理だったり、文学専攻の学生だったり、つまり専門家でない場合、どうしたらいいでしょうか。
Microsoftが提供するPower Appsはそのようなプログラミングの知識がない方でも、ニーズに合わせて独自のWebアプリやモバイルアプリを開発するのに役立つMicrosoft PowerPlatformのコンポーネントです。
現在、フォーチュン500の86%の企業がPower Appsを使用しています。
今回は、Power Appsが実際にどんなメリットをもたらすのか、なぜ人気があるのか分析していきます。
Power Appsとは?
Microsoft Power Appsは、エンタープライズ向けモバイルアプリケーション開発用ローコードプラットフォームです。 Power Appsを使用すると、高度なプログラミングスキルがなくても、ユーザーはドラッグアンドドロップで簡単にすばやくアプリケーションを作成することができます。アプリケーションを構築することができるツールです。テンプレートを使用して、iOS、Windows、Android用のWebサイト/モバイルアプリを簡単に作成できます。
エンタープライズ環境では、ユーザーは、Dataverse(以前のCommon Data Service)等のデータプラットフォームや企業がShare Point、Dropbox、One Drive、Dynamic 365、SQLServer等のデータソースに保存するデータにアプリケーションを接続できます。
Power AppsではPower Pointの直感的なドラッグアンドドロップでの操作とExcelのような表現(expression)を組み合わせて、ロジックを処理し、データを操作します。そのため、コーディングの経験があまりないユーザーにとっては、非常に使いやすくなっています。
もし、コーディングの経験がある場合は、機能を活用すれば、従来の開発方法よりもはるかに少ない労力で、ビジネスアプリをすばやく作成できます。
Power Appsのメリットは?
Power Appsには、次のようなメリットがあります。
・コーディングを知らないユーザーでもアイデアだけがあれば、アプリを迅速かつ効率的に作成できます。
・MicrosoftFlowの自動化機能とPower BI(Office 365)のデータ分析機能を組み合わせることで、複雑なビジネスアプリを作成できます。
・基本的なニーズを満たすテンプレートアプリが提供されており、 適切なテンプレートを選択し、いくつかの設定を変更するだけで、すぐに使用可能なアプリが開発できます。 また、編集操作を通して必要に応じて以下の機能拡張ができます。
- Power Appsは、Office、Teams、SharePoint、OneDriveなどのMicrosoftが提供する一般的なサービスと組み合わせて使用できます。
- Power Appsは、SharePoint、SQL Server、Office 365、Salesforce、Twitterなど、様々なデータサービスやオンプレミスデータソースに簡単に接続できます。
- Power Appsは、データのプライバシーとセキュリティを制御する機能を提供しており、システム管理者がデータアクセス権限を管理することができます。
- Power Appsでは、Webブラウザだけでアプリケーションを作成できます。
Power Appsが提供する開発アプリケーションは?
Power Appsには、Canvas、Model-driven App、Portalsの3種類の開発アプリケーションがあります。
■Canvas
一般的なモバイル開発、タブレット開発のためのアプリです。 これは、既存のコントロールを空のキャンバスにドラッグアンドドロップし、Excelなどの数式を使用してロジックとページナビゲーションを処理することで作成されます。Microsoft製品はもちろん、他の様々なデータソースからのデータと統合できます。また、デザインがしやすく、特にデザイナー向きの開発アプリになっています。 モバイル開発、タブレット開発のためのアプリではありますが、Web開発に使用することも、Microsoft Teams、Share Point、Power BIのダッシュボードに埋め込むこともできます。
■Model-driven
canvasと比べて、Model-drivenはDataverseに保存されているデータに基づいた開発に適しています。Dataverseは、Microsoftが提供する組織や企業がビジネスデータを保存するのに適したクラウドストレージです。 Model-drivenで開発された全てのアプリはDataverseに統合されます。実際には、Dynamics 365プラットフォーム全体を含むほとんどのMicrosoftアプリケーションはModel-drivenに紐づくアプリであるため、ほとんどのMicrosoftアプリケーションはDataverseに統合されています。
Model-drivenはデータによるアプローチを採用しており、canvasで開発するアプリよりもカスタマイズがはるかに難しいデザインになっています。例えば、インターフェースのほとんどのコントロールは、選択したデータに基づいて事前に作成されています。もちろん、いくつかのカスタマイズオプションがありますが、多くはありません。 ただし、データ駆動型アプローチであることから、Model-drivenがcanvasよりも複雑なビジネスロジックを必要とするアプリケーションに適したものになります。また、Model-drivenで開発されたアプリも、どのデバイスでも機能し、きれいに画面表示がされます。
■Portals
これは最新の開発アプリで、Webサイトのデザインに重点を置いています。 簡単に言えば、Canvasはアプリのデザイン用であり、PortalsはWebデザイン用です。 これにより、顧客、サプライヤなどの組織外の人々がログインせずにアクセスできるWebサイトを簡単に作成できます。 また、Dataverseのデータを使用して、Canvasなどの他のデータソースに接続し、Webサイトに表示することもできます。 また、CSSをカスタマイズして望ましいインタフェースを作成できます。
Power Appsが適したアプリは?
Power Appsは内部使用を目的としたエンタープライズアプリケーション向けに特別に設計されています。
そのため、下記のようなアプリを作成する場合、Power Appsは適していません。
・Yahoo!のようなスーパーアプリ
・GrabやUberのような配車アプリ
・LINEのようなメッセージングアプリ
・モバイルゲーム
理由は複数ありますが、最も重要なのはPower Appsの技術的な制約です。Power Appsはローコード/ノーコードを前提に作られており、HTMLの編集、Javascriptの追加等、高度なカスタマイズはできません。 Power Appsは、最も単純なコントロールを使用することで、複雑な問題を簡単に解決し、時間を節約するという本来の目的で使用すると最適なパフォーマンスが発揮できます。
組織や企業のワークフローを時間とコストの面で最適化できるアプリケーションを開発したいなら、Power Appsが最適のソリューションです。 具体的には次のようなアプリの作成に向いています。
■資産在庫管理アプリ
企業資産を管理し、使用状況、運用状況を追跡します。管理者は数と業務効率を確認して、必要に応じて適切な処理を行います。
■レストランのスタッフ管理アプリ
大規模なレストランの従業員は、このアプリ上で勤務スケジュールを記入し、休暇申請を作成できます。管理者は、出勤の従業員の人数、承認が必要な休暇申請の数を把握し、シフトリマインダーを従業員に送信できます。
■新入社員トレーニングアプリ
新入社員は、Power Appsアプリを介してワークフローに簡単にアクセスできます。このアプリ経由で会社の基本情報、仕事内容、仕事中の注意点等を提供します。新入社員は入社後、他の人に聞かずに自分で調べることができます。規制やポリシーに変更があった場合、マネージャーはアプリケーションで更新するだけで、すべての従業員に自動的に通知されます。
弊社NTQSolutionは、Power Appsを始め、Power Platformのサービス全般で多くの経験を積んでいます。
詳細については、ここでいくつかのケーススタディを確認してください。
まとめ
弊社NTQSolutionは、PowerAppsを始め、PowerPlatformのサービス全般で多くの経験を積んでいます。
また、マイクロソフトの専門的なテストによって認定された高度な資格を持つ強力な開発者チームを抱えており、PowerAppsおよび.NETに関連するソリューションをあらゆるお客様に提供しています。ご相談だけであれば、無料ですのでお気軽にNTQまでご連絡ください。
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