基幹システムは、企業の基幹となる業務をコンピュータで管理しようとする「これがなければ困る」というシステムの総称です。
業種によって基幹とする業務は異なるため、基幹システムと一口に言っても、どの業種で使われているかによって変わります。例えば、会計システムや人事給与システムは多くの業種にとって基幹システムとなります。しかし、金融機関のように在庫を持たない業種にとって在庫管理システムは基幹システムではありません。製造業においては他の業種と違い生産管理システムが基幹システムとなります。
よく混同されるERPや情報系システムとはどう違うのでしょうか。
まず、ERPは、企業が保有しているあらゆる資源を一元管理して経営に活かそうとするデータ連携が前提となるシステムです。一方、基幹システムは、販売管理システムや生産管理システムなど個々のシステムを指し、それぞれが独立しています。EPRは企業の業務全体をカバーする大規模なシステムとなるため、基幹システムより導入障壁が高くなります。
また、情報システムは、基幹システムと違い、「なくても良いがあれば便利」というシステムです。例えばスケジュール管理システム、グループウェア、メールシステムが含まれます。言い換えれば、基幹システムはトラブルで停止すると非常に困りますが、情報系システムは停止しても基幹システムと比べると影響は少ないです。導入することで業務効率化が図れる点は同じですが、基幹システムと比べると業務への影響度は低いです。
まとめると、基幹システムは、重要な業務を業務ごとにシステム化するため、ERPよりも導入しやすく、情報システムよりも業務効率化を大きく実現するシステムです。