成功するオフショア開発会社の選び方
「コスト削減」を主たる目的とした「オフショア開発」の活用は、この数年で日本国内のIT人材不足解消の手段として、活用される傾向が高まって来ました。特に新型コロナが及ぼす影響もあり、さらにIT投資が急増し、オフショア開発への注目が集まってきています。
2021年に「オフショア開発.com」が発行した白書によると、オフショア開発委託先国別ランキングでは、ベトナムオフショア開発は一番人気となっています。
出典: オフショア開発.com
ベトナムが選ばれる理由として、親日であること、勤勉な国民性、地理的近さ、そして単価の安さがベトナム一極集中の背景となっていますが、ここ数年、ベトナムにおいてもオフショア開発会社が次々と設立され、各開発会社のレベルはバラバラなのが実状です。
前回、【実体験】オフショア開発を活用される際の注意点と題して、オフショア開発会社選びの注意点を取り上げましたが、「もう少し詳しく知りたい」という声を数多く頂きましたので、今回は、信頼できるオフショア開発パートナーを選ぶコツと題し、以下にあげてみました。少しでもお役に立てればと思います。
①素直さ
案件を成功させる為に、受託側の技術力を確認したいという思われる気持ちは当然のことです。
信頼して長く付き合えるパートナーを探す事とも言えます。この場合のポイントとして、素直な(実直な)会社をお探しください。
案件が始まらないうちに、ではどうやって相手の素直さ(実直さ)を確認できるか。と悩まれる方も少なくないですが、1回の面談だけで確かめることができるコツがあります。
まず、素直な会社の特徴としては「解らないこと、できないことを素直に言える会社かどうか」です。案件を取るために、「何もできます!」と回答するオフショア開発会社は多いですが、実際に実施するとたくさん問題が発生するケースがあります。どんな会社でも強みと弱み、又「できること」と「できないこと」があります。率直に自分の弱点を共有するパートナーは将来的に長く協力関係を維持していけると言えるでしょう。
次に、要求のヒアリング時に、どんな問題に対しても「わかりました!」とだけ反応する会社は疑うべきです。委託側の要求を理解しようとするなら、要件に対して質問(Q&Aシート)して最初の段階で明確に理解しようとする姿勢が見えます。
②実績
オフショア開発会社の能力といえば、技術力のことですが、最も確実な確認方法は実績です。「○○ができますか」という質問の代わりに「○○の実績がありますか」と聞いてください。もちろんご要望に類似する実績があれば一番良いですが、類似する案件がない場合でも落胆なさらないでください。類似はしないが、たくさん実績があるのは技術力を持っている、経験が多い会社ということですので、候補の一つとして検討すべき対象となります。
また、「日本企業との取引実績の有無」もとても重要です。オフショア開発の経験が多くてもアメリカ、ヨーロッパ等の経験しかないパートナーは潜在的なリスクが多いです。日本は独特な文化と働き方があるため、日本文化を理解していないと開発を順調に進めるのは困難です。そのため、日本企業様むけ開発を数年以上経験しているオフショア開発会社は、オフショア開発をまだ経験したことがない企業様にとって、お薦めの開発パートナーとなります。
③日本語力
必須条件として、日本市場向けに開発するオフショア開発会社は日本語対応可能な従業員を雇用しており、どの会社でも100%日本語対応できます。とアピールしています。しかし、オフショア開発の失敗原因としてコミュニケーション問題が最も多くあげられます。ちょっと視点を変えてお話しすると、ご経験の中で、又開発案件以外のことでも、日本国内のベンダーに委託し問題が発生したご経験はありませんでしたか。日本人どうし日本語のコミュニケーションでも、問題が起きることがあります。問題回避としては、その時その場で互いにすぐ相談し、問題を解決していくことです。オフショア開発に関して言えば、”不安や悩みの受け止め役”となる日本語スピーカー(コミュニケーター)がいれば、国内ベンダーと同じように活用できますし、順調に開発を進めていくことが可能です。
もちろんネイティブレベルの日本語スピーカーは少なく、各開発チームに必ずそういう人材配置をすることは、困難ではありますが、大切なポイントとしては、開発前、開発中ふくめ、その会社に日本語ができる人材が、一名もしくは二名がアサインされ架け橋役として、逐次対応していれば問題が起きるリスクは回避できます。
さらにプラスの点として、もう一つあります。オフショア開発会社の社長、または役員に日本語がわかる、話せる人がいること。これは大きいです。受託開発側の社長と役員が日本語を理解し、話すことができる。それは日本のスタイルと近い考え方や働き方を知っている事を示しています。あまりあってはいけないことですが、もし問題が発生した時は、社長と役員へ直接連絡することで迅速に解決できます。これは、ベトナムをはじめアジア諸国の指示命令は、徹底したトップダウン型のため、直接トップへ話をもっていくやり方はとても有効です。
■まとめ
以上、オフショア開発会社選出時のキーポイント及び特徴を述べました。
「素直さ」「実績」「日本語力」がオフショア開発パートナー選出のカギとなります。
ここまでで、オフショア開発会社選出のポイントをざっとご理解いただいたと思いますが、海外のやり取りのご経験がない方にとっては、とても不安でいらっしゃると思います。弊社NTQでは、小規模、少人数から始めていただくパイロットプロジェクトというお試しプランもご用意しておりますので、詳しい内容をお知りになりたい、また相談してみたいという場合は、お気軽に弊社までお問合せください。
・「オフショア会社の選定のためのチェックリスト」ダウンロードページ
・「お問合せ」ページ