【実体験】オフショア開発を活用される際の注意点
昨年来の新型コロナにより、生活環境も大きく変化、それに伴いビジネスモデルも変革が求められ、IT需要が高まってきております。その中でIT専用部署の設立とその部署の役割や重要性が大きくなって来ている企業様も少なくありません。しかし、具体的に組織改革、機能改善をすぐ実現させることは、なかなか難しいようです。
その一方で経済産業省の発表では、日本国内のIT人材は、2030年には79万人も不足するといわれています。
世界中でDX等が加速する中、日本も遅れをとらない対策の一つにあげられるのが、海外の人材を活用するオフショア開発です。
前回、【実体験】オフショア開発のメリットは?3つのメリットをヒアリングとオフショア開発における5つのデメリットと4つの対策 におけるメリット、デメリットを公開しました。
今回は、オフショア開発は未経験で、関心はあるがまだ具体化までは。。。といった企業様向けに、10年以上オフショア開発をやってきた弊社NTQが、ご注意頂きたい点を挙げてみました。オフショア開発を検討中の企業様は、ぜひご参考になさって下さい。
①要望・要件の明確化
オフショア開発活用の動機は、数か月程度(短期間)の人材不足解消又は長期的にお付き合いできる開発パートナーを探す2つのケースが多いです。検討を開始されるにあたっては、まず要望・要件を明確にされることをお薦め致します。
短期間活用の場合、案件内容にマッチするスキルの人材を見つけることを中心に、エンジニア候補者を選ぶことをお薦めします。流れとして、要件をお客様から提示いただいた上で、その案件に見合った候補者を選定し、提案致します。その上で候補者との面接、採用を決定し、次のステップとして値段の交渉となります。
しかし、長期的開発パートナーを探す場合は、案件に携わる個人の能力スキルよりも、そのオフショア開発会社全体、体制や仕組みも含めて詳しく確認した上で決定されることを薦めます。
②オフショア開発会社選定のポイントの選出
ご要望・要件が明確になったら、海外の受託先探しになります。オフショア開発といえば、インド、中国、ベトナム、タイ、フィリピン、ミャンマー等、国・開発会社の選択肢が沢山あります。選出時のチェック項目をここに挙げます。
・オフショア開発する国の政治と経済は安定しているか。
・IT業界オフショア開発(ソフトウエア開発)への優遇措置(例:ベトナムは輸出税免除)を行っているかどうか。
・IT人材が豊富な国(例:ベトナムは国をあげてIT人材養成をしています)かどうか。
受託国を決めたら、次はオフショア開発会社を以下の基準で検討してみてください。
・オフショア開発会社の規模(大規模な開発会社であればあるほど対応可能な技術と人材が豊富)はどうか。
・オフショア開発会社の実績(経験年数、求めている案件の業界経験の有無など)
・資格、認証等
③見積り&提案
候補企業一覧をまとめたら、次は細かい内容を見ていく必要があります。一般的に受託のオフショア開発は
・使用技術
・システムアーキテクチャ―(ある場合)
・作業範囲
・プロジェクトの費用
・プロジェクトタイムライン(マイルストーン)
・開発チームの体制
等の項目を、候補のオフショア開発会社とお客様間で、明確にしていくことになります。もし、受託側オフショア開発会社からの情報提供が明確でない場合、その会社は、候補リストから外すことをお薦めします。
また、文面で伝えきれないことがたくさんがあるため、見積書と提案書をオフショア開発会社から受け取ったら、打合せ説明会を納得行くまで実施されることをお薦めします。その打合せの中で、技術力と提案力以外に、とても大切なコミュニケーション力も確認することができます。
④協力サービス形態
オフショア開発のサービス形態は、、基本的に2つあります。一つは請負型開発、そして準委任(労働力の提供である)ラボ型開発になります。では、その2つの特徴はどういったものでしょうか?
・請負型開発
この形態はシンプルです。案件すべて又は案件の一部を受託先に依頼します。打合せの中で委託側が要件を提示したら、受託側(オフショア開発会社)は実施計画の提案と費用見積書を提出します。委託先はその計画と見積内容を精査、承諾し、成果物の合否基準を双方合意の元で決定、要件や仕様が固まったら、費用と工期(タイムライン)が決まります。そして受託先(オフショア開発会社)での開発が開始される。といった流れになります。役割として委託先は、開発部隊の納期と成果物に重きをおき、受託側(オフショア開発会社)は案件を実施する人材を徹底管理する中、開発を進めていきます。案件終了後、委託先は2~3週間で受入テスト(UAT)を実施、不具合を検出していただきます。受託先(オフショア開発会社)は、指摘された不具合の修正をします。保証期間については、請負型開発契約を締結する際に熟慮されることを薦めます。案件規模によって変わりますが、通常1か月から6か月です。保証期間設定の交渉はとても重要です。
・ラボ型開発(準委任 労働力の提供)
このサービスは、月単位での労働力の提供になりますから、お客様の意向に応じて月単位のトータルコストが決まります。メリットは、オフショア開発チームをご自身で選出して頂くことで優秀なエンジニアによって構成される開発チームの確保が可能になり、結果、パフォーマンス高いアウトプットを得られ、ご満足いただけることです。また、委託先のチームは、一般的なケースとして複数案件を実施、継続利用頂く為、ノウハウの蓄積がすすみ、ある意味委託側会社の外部にある開発専門チームとなりえます。
ラボ型開発の実施プロセスは以下となります。
開発要望の共有→候補者(個人かチーム)のレジュメ提出→検討→候補者(個人かチーム)の面接・選出→開発チーム設立→案件開始
開発の開始後は、定期的にオフショア開発チームが委託先へ状況を報告します。
それぞれの特徴を検討した上で、要望と目的にあったサービスの契約を選択ください。
出典:オフショア開発.com
⑤案件管理
開発が開始され、海外にいるオフショア開発チームをどう管理するか。という点は、正直なところ容易ではありません。いかにして問題なく開発を推進していくかは、受託側の能力パフォーマンスはもちろんですが、委託側と受託側双方の協力によって、成果は大きく違ってきます。うまくいく開発が進むケースであれば、確実にコスト削減と人材不足解消の両立を得ることができ、価値あるサービスだ。とご満足いただけます。
オフショア開発案件の失敗理由としてあげられるのは、往々にしてお互いのコミュニケーションのとり方、そして要件仕様の不明確さ(作業範囲を含む)が最も多いです。つまり、開発開始前に、双方間でどれだけ細かい部分まで確認しあい、またコミュニケーションを密にし合意を得るか。それが一つの大きな成功のカギとなりますので、この点を留意なさって下さい。
■まとめ
いろいろとご説明してまいりましたが、オフショア開発計画における5つのポイントです。
・要望・要件の明確化
・オフショア開発会社選定のポイント
・見積り&提案
・サービス形態
・案件管理
「そうはいっても、いきなりオフショアを始めるのは不安」、「いきなり準委任型のラボは相手の事を良く知らないし、早すぎるかも」とお考えの企業様には、小規模案件、少人数でのトライアルプランもご用意しています。もっと詳細を聞いてみたい。と思われる企業様、ご担当者様は是非、お気軽にお問い合わせください。
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