Pythonで書かれた「Django」は何ができる?メリットデメリットも解説
プログラミング言語「Python(パイソン)」で書かれたWebアプリケーションフレームワークの一つに「Django(ジャンゴ)」というものがあります。オープンソースのため世界中の開発者に使われていて、Webアプリケーションを作成するために必要なさまざまな機能が元から備わっています。本記事では、Djangoの概要や何ができるか、Djangoのメリット・デメリットについて紹介します。
Djangoとは
Djangoとは、プログラミング言語の一種であるPythonを使って記述されたWebアプリケーションフレームワークです。フルスタックのため品質の高いWebアプリケーションを簡単に、かつシンプルなコードで作れることで、Pythonフレームワークの中でも最も人気があるものです。YouTube、Instagram、Dropbox、Spotify等、身近なところにDjangoで作られたWebアプリがたくさんみられます。
Pythonでの開発に関しては、「Pythonで何ができる?Pythonを使った6つの技術とPythonのこれから」もぜひご参照ください。
Djangoが注目される理由
Djangoが注目される理由として、以下の3つのことが挙げられます。
1.Webアプリ開発でよく使われる機能が全て含まれていること
「ユーザー認証」「管理画面」といった基本機能以外に「RSSフィード」「テンプレートエンジン」「データベース(O/Rマッパー)」「フォームの作成・検証・処理」「キャッシュ機能」などWebアプリでよく使われる機能が揃っており、Djangoを使ってその定番の画面は素早く作れます。
2.セキュリティ対策がしっかりしていること
Djangoは、セキュリティ性を高く求めるECサイトや業務システムなどにも対応できます。具体的には、・パスポートをハッシュ化して保存 、クロスサイトスクリプティング、クロスサイトリクエストフォージェリ、SQLインジェクション 、クリックジャックなどセキュリティ対策を多く揃えています。
3.幅広い用途に使えること
Djangoは、コンテンツ管理システム、ソーシャルネットワーク、ニュースサイトや科学技術計算など幅広い用途に使えるため、会社や組織、そして政府にも採用されています。
Djangoで作れるもの
Djangoではどのようなことができるのか、作れるものを2つ紹介します。
Webアプリケーション
上記にも紹介した通り、DjangoはWebアプリの幅広い機能が揃うため、さまざまなWebアプリケーションが柔軟に対応することが可能です。それを使って作られたWebアプリといえば、ワシントンポストなど情報を表示するニュースサイトや、Pinterestなど特定のコンテンツを管理するシステム、YouTube、Instagramなど情報サイトからつながるSNSもあります。
また、Djangoはシンプルなコードはもちろん、複雑なコードの作成も対応しています。そのため、あらゆる規模で高品質なアプリ作成を支援します。特に、機能ごとに分かれているため一部の改良と機能追加が全体に影響をあまり与えずに済み、拡張性が高いと考えらています。
WEBアプリケーションの開発に関しては、「WEBアプリケーションの開発手順とは? 仕組みや開発言語を紹介」もぜひご参照ください。
Web API
Webアプリ以外にDjangoで作れるものはWeb APIです。Djangoにはツールキャスト「Django REST framework」が搭載されているため、その設定によってRESTの原則に基づくWeb APIが簡単に作れます。
RESTとはREpresentational State Transfetの略語であり、分散システムにおける複数のソフトウェアの連携に適した設計原則です。
Djangoのメリット・デメリット
Djangoにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
Djangoのメリット
Djangoには、以下のようなメリットがあります。
1.生産性、実用性が高い
Djangoは開発スピードを大幅にアップでき、生産性が高いです。また、オープンソースのため日々世界中の開発者が盛んに改良を進めているため、使いやすさも日々進歩しています。大手のSNSや情報収集アプリもDjangoで作られていることから、実績があり実用性にも長けていることがわかります。
2.プラットフォームを自由に選べる
DjangoはPythonで記述されていることから、WindowsはもちろんMac OS、Linuxなどさまざまなプラットフォームで実行できます。また、Django自身多くのホスティングプロバイダでサポートされているため、Djangoで作ったWebアプリケーションを特定の場所だけで共有することも可能です。
3.セキュリティ性が高く、メンテナンスも容易
Djangoはセッションデータをサーバーに保管してCookieに保存しないこと、パスワードをハッシュ化してデータベースに格納すること(ブロックチェーンなどにも使われている技術)から、セキュリティ面での信頼がおけるフレームワークです。しかも、モジュールの独立性が高いことから、メンテナンスが容易で拡張性が高いというメリットも持ち合わせています。Instagramなど大規模サイトがDjangoを利用した理由の一つといえるでしょう。
Djangoのデメリット
Djangoには、以下のようなデメリットが考えられます。
1.レスポンスが若干遅め
多機能でフルスタックのフレームワークであることから、コードベースが大きく、マイクロサービスなフレームワークと比べるとややレスポンスが遅めになる傾向があります。とはいえ、著しく遅いというほどではないため、あまりにも高度で高速な処理を求められるアプリケーション開発でない限りは問題になるほどではないでしょう。また、高速化させる実装方法も出てきています。
2.使える機能が多いため、把握に時間がかかる
使える機能が多いことから、どんな機能があるのか全てを把握するまでに時間がかかるというデメリットがあります。上記のレスポンスも同様ですが、フルスタックであるメリットと表裏一体のデメリットと言えるでしょう。しかし、これもある程度の知識や実務経験があれば把握するまでの時間も速くなります。
まとめ:Djangoでスピーディな開発を実現しよう
DjangoはWebアプリケーションフレームワークで、フルスタックのため作成に必要な基本機能をほとんど備えています。簡単なWebアプリケーションなら数分程度で完成させることもできるほど、世界中で使われ改良されてきたフレームワークです。Djangoを使えば、Webアプリケーションのほか、RESTの原則に基づくWeb APIも作れます。
Django は生産性・実用性が高く、セキュリティ対策も比較的しっかりしているフレームワークですが、反面、レスポンスが遅めだったり使える機能が多すぎて把握に時間がかかったりするデメリットもあります。
Django を使ったアプリケーション開発は、ぜひWebアプリケーション開発に豊富な実績があるNTQにお任せください。