Pythonで使えるフレームワークとは?おすすめフレームワーク5選
Webアプリケーション開発の際、プログラミングを一から行うのではなく、ある程度の枠組みが出来上がったものを利用することがあります。これをフレームワークと言い、Pythonにもさまざまなフレームワークがあり、用途によって使い分けが可能です。本記事では、フレームワークの概要やメリット・デメリットのほか、Pythonで使えるおすすめフレームワーク5選についても紹介します。
フレームワークとは
フレームワークという言葉はざっくりとに言うと「枠組み」のことです。例えばより一般的なビジネスの現場では、業務効率化のための考え方のテンプレートとして「フレームワーク」が用いられることもあります。プログラミングにおいてもフレームワークは「枠組み」のことを表し、特にアプリケーション開発でよく使われる機能をあらかじめ備えた枠組み、開発ツールなどのことを表します。
WEBアプリケーションの開発に関しては、「WEBアプリケーションの開発手順とは? 仕組みや開発言語を紹介」もぜひご参照ください。
Pythonは機械学習やデータ分析などにも活用でき、最近非常に普及しているため、そのフレームワークも注目されています。
この記事では、Pythonにおけるフレームワークについてみていきます。
フレームワークのメリット・デメリット
Pythonのフレームワークを使うメリット・デメリットを知っておきましょう。
フレームワークを使うメリット
フレームワークを使うメリットには、以下の4つが挙げられます。
①文法がシンプルで覚えやすい
Pythonはシンプルな文法という特徴で差別しているため、そのフレームワークも同じメリットを持っています。そのおかげで、初心者でも覚えやすく、バグ発生等のリスクも軽減することができます。また、他人が書いたコードも確認しやすいです。
②エラーの修正がしやすい
文法がシンプルだけでなく、Pythonのソースコードが少ないため、他の言語に比べてコードが読みやすくなります。そのため、記述ミスが発生するリスクが圧倒的に少なくなり、発生したとしてもミスを素早く見つけて修正できます。
③ライブラリが多く、効率的に開発できる
フレームワークのメリットだけでなく、Pythonは便利なライブラリが多いという点でよく知られています。汎用的な機能がまとめたライブラリを用いることで、少ないコードでもアプリやシステムなどが開発できます。したがって、コストの面でも時間の面でも効率化できるようになります。
④機械学習や深層学習の対応が可能である
AI開発はPython以外にも他のプログラミング言語を使うことができますが、その対応フレームワークについてはPythonの方が非常に豊富です。フレームワークを活用することで数値計算などの記述を速やかに対応できるため、機械学習や深層学習に導入されることが多いです。
フレームワークを使うデメリット
フレームワークを使うデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
①フレームワークに関する知識が必要
プログラミング言語でコーディングすることと違うため、初めてフレームワークを利用する場合、学習が必要です。もちろん、参考書やコミュニティのサポートが整っている今の環境では、それほどの問題ではありませんが、学習のためにコストや時間を費やすことが必要です。
②プログラミングの自由度が低い
上記に述べた通り、フレームワークは「枠組み」的なものを提供するものですので、その分、様々な制約があります。ゼロからコードを書くほど自在にはプログラミングできないため、自由度が低いと感じるエンジニアもいます。
③言語そのものの理解が不十分になりやすい
プログラミング言語を十分に理解しないうちにフレームワークを使い始めると、その枠組みに頼りすぎるリスクが生じます。その場合、決まった場面で型にはまった開発しかできず、エラーが発生した時には適切に処理することができません。そのため、プログラミング言語をしっかり理解したうえで、フレームワークを活用することをおすすめします。
おすすめのフレームワーク
Pythonでおすすめのフレームワークとして、Pythonの5つの充実したフレームワークと呼ばれるDjango、Flask、Bottle、CherryPy、Falconを紹介します。
Django
さまざまな用途に使える汎用性の高いフレームワークです。大手SNSや情報収集アプリにも使われていて、Python内でも世界シェアNo.2を誇るフレームワークなため、日々世界中の開発者によって改良が続けられています。
Djangoの主な特徴
・他の Python フレームワークと比較してより安全である
・URL ルーティングを提供する
・認証のサポートを提供する
・データベーススキーマのマイグレーション機能を提供する
Flask
小規模なフレームワークで、マイクロフレームワークとも呼ばれています。考え方はDjango に近く、Djangoから余分な部分を省いて高速・軽量化したフレームワークとも言えます。近年人気が高まってきていて、今後シェアが伸びていくことが予想されます。
Flaskの主な特徴
・Google App Engineとの互換性
・jinja2 テンプレートと Werkzeug WSGI ツールキットが対応可能
・内蔵デバッガ
・ユニットテスト
・HTTP リクエストの処理も対応可能
・任意のORMをプラグインするオプションがある
Bottle
1ファイルだけで導入できる非常に手軽で、「シンプル・イズ・ベスト」を追求したフレームワークです。機能は限定的ですが、その分非常に軽くて扱いやすいため、最低限の機能さえ備わっていればいい、軽くて扱いやすいWebアプリケーションが欲しいという場合に適しています。
Bottleの主な特徴
・フォームデータ、クッキー、ファイルアップロード、その他のHTTP関連のメタデータにアクセスすることができる。
・ビルトインのHTTPサーバを提供する
・様々なデータベースをプラグインでサポートしている
・第3者のテンプレートエンジンやWSGI/HTTPサーバも使用可能
CherryPy
2001年にリリースされてから、Pythonのフレームワークの中で最古参の一つですが、高速かつ安定的に動作していることで今までも多くの開発で利用されています。CherryPy はオープンソースのオブジェクト指向フレームワークです。データへのアクセスやテンプレートの作成に任意の技術を使用することができます。
CherryPyの主な特徴
・複数のサーバを同時に動作させることができる
・Androidで動作する
・優れたコンフィギュレーションシステムを提供する
・HTTP WSGIに準拠したスレッドプール型Webサーバがある
・キャッシュ、エンコーディング、認証などの機能がある
Falcon
Web APIの構築に特化した、もう一つのマイクロフレームワークです。このフレームワークは、LinkedIn、OpenStack、RackSpaceなどの組織で広く使用されています。開発者はHTTPとRESTアーキテクチャのための明確な設計を行うことができます。
Falconのの主な特徴
・アップフロントな例外処理をサポートするフレームワーク
・非常に拡張性の高い、最適化されたコードベース
・リクエストクラスとレスポンスクラスにより、ヘッダとボディに簡単にアクセスできる
・WSGIヘルパーとモックはユニットテストに使用される
・Cython のサポートにより、フレームワークの速度が向上する
まとめ:PythonでWebアプリケーションを開発するには、機能に合ったフレームワークを使おう
Pythonにはさまざまなフレームワークがあり、Webアプリケーションを開発するにあたって各種機能が備わったものを使用できます。フレームワークは効率的な開発が行えたり、エラーの修正がしやすかったりするメリットがある反面、フレームワークに関する知識が求められるほか、プログラミング学習者にとっては言語理解が不十分になりやすいなどのデメリットもあります。
NTQでは、Webアプリケーションの開発に豊富な実績があり、各種フレームワークを用いた開発も行っています。クライアント様の要望に対し、適切なフレームワークを用いた開発のご提案も可能です。Pythonを使ったWebアプリケーションの開発をお考えなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。