オフショア開発会社を見極めるポイントとおすすめ5選
人材不足が続く国内のIT業界。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2030年には約79万人のIT人材が不足すると試算されています。コロナ禍による新しい生活様式によって日本企業のデジタル化が進み、人材確保とコスト削減を求めてオフショア開発に目を向けるところが増えてきました。多くのオフショア開発会社のなかから自社にとって最適なところを選ぶ基準とはどのようなものでしょうか。本記事では、各企業に合ったオフショア開発会社の選び方とおすすめの5社を紹介します。
自社の目的に合ったオフショア開発会社を選ぶ
オフショア開発とは、業務を海外の企業に委託する手法です。コスト、人材のスキル、コミュニケーション力など、企業によって求める優先事項はさまざまにあります。自社の目的を見つめ直したうえで、開発会社を選びましょう。
開発実績・得意分野を見る
各開発会社のホームページには、開発実績の一部や得意分野が掲載されている場合が多いものです。事前に調べておきましょう。
開発実績
実績が豊富な開発会社はノウハウが蓄積されている可能性も高く、信頼にもつながります。
開発規模や期間、参加人数なども確認しておくといいでしょう。大規模案件を経験しているかどうかもポイントのひとつです。プロジェクトの規模が大きいほど、その過程において課題は生まれやすいものです。開発会社がどのように課題に対応し、プロジェクトを推進していったかをチェックすることをおすすめします。
得意分野
システム開発やフロントエンド開発、アプリ開発など、会社によって得意分野はさまざまです。どのような分野、技術に強みを持っているかを確認しておきましょう。委託したい分野に近い領域の実績が豊富であれば、一定以上の水準の品質・スピードが期待できます。
開発会社の提案能力も大切な検討項目ひとつです。コンサルティングや戦略策定に強みがあるか、上流工程に対応できるかなどを見ておきましょう。
自社にシステム開発のノウハウがない場合は、要件定義からリリースまで1ヶ所で行う「ワンストップ」で提供している開発会社から選ぶのも一案です。
会社の体制や形態をチェック
日本に窓口を置いている会社であれば、緊急事態での連絡がしやすくなるため、安心感が高まります。
日本語でのコミュニケーションを重視する場合は、日本語検定資格や日本への留学経験があるスタッフ、またはブリッジSEが在籍する会社を選ぶといいでしょう。
オフショア開発の契約形態には、システムやサービスの納品を前提に必要なリソースや期間を確保する「受託型開発」と一定期間開発チームを確保する「ラボ型開発」の2種類があります。プロジェクトによってどちらが合うかは異なるため、このいずれにも対応し、委託の際に選ぶことができるかどうかは大切なポイントです。
開発会社が所在する国で選ぶ
オフショア開発の大きな魅力のひとつが、低コストを実現できることでしょう。オフショア開発会社はさまざまな国や地域に存在していますが、委託先の国によって人件費はもちろん、生活や習慣、国民性の違いがあります。自社の企業文化と合いそうな企業を探してみるといいでしょう。
なかでも、おすすめはオフショア新興国として注目されるベトナムです。近年、日本企業が委託するオフショア開発が増えており、日本人とのビジネス経験が豊富な開発会社も多くあります。
日本との時差が2時間であることも魅力です。勤務時間が合うため、急な依頼や修正に迅速な対応が期待できます。
また、ベトナムはSTEM教育(科学、技術、工学、数学)のシステムが構築されており、国を挙げてIT人材の育成に取り組んでいます。このため、層の厚さにより、スキルの高い人材が多くそろっています。日本語教育も進んでいて、日本語ができる人材も増えているようです。
詳しくはオフショア開発で評価が高いベトナム! そのメリットと他の国との違いとは?をご覧ください
おすすめのオフショア開発会社5選
母体がベトナムの会社で現地と太いパイプを持つ、おすすめの5社を紹介します。
株式会社NTQジャパン
ベトナムのトップクラスのITテクノロジーを誇る日本法人企業です。
顧客の要求に応じたベトナムでのオフショア開発を中心にビジネスを拡大。近年は上流工程である要求分析からMVP・スクラム方式による迅速なシステム開発や、世界で先端のAI(人工知能)やブロックチェーン技術を活用した高効率ITシステム開発を提供しています。
これまで300社以上の取引、600件以上のプロジェクトに対応しています。
ベトナムトップレベルの大学を卒業したエンジニアを中心に独自の厳しいトレーニングを経た、日本語力や提案力に長けた人材を開発チームに編成しています。
柔軟な開発体制や万全のセキュリティ体制も魅力です。
FPT Software Company Limited
ベトナム最大級のIT会社。4,100人超のソフトウエアエンジニアの人材リソースを擁し、人材は年間40%の割合で拡大しています。幅広いプロジェクトに対応可能。平均年齢27歳の若いエンジニアたちは英語や日本語、フランス語でのコミュニケーションがとれる人が多いようです。
同社はベトナム初の企業大学であるFPT大学を設立し、人材育成にも励んでいます。
チームワークと長所を伸ばすことに重きを置く社風により、長期にわたって働く優秀な人材がそろっています。
2005年には同社の日本法人、FPTジャパンホールディングス株式会社を設立。日本とベトナムをより強固につなぐ架け橋となっています。
VNEXT JAPAN株式会社
2008年に設立された、日本を中心としたアジア諸国に向け、ソフトウエア受託開発を提供するベトナムのIT会社。近年ブロックチェーン技術にも取り組んでいます。
企業との「顔合わせ」を実施しており、日本語対応の是非を確認でき、高精度のスキルマッチングが期待できます。
株式会社DEHA SOLUTIONS
企業のリソース不足に対し、オフショア開発をはじめとした解決策を提供する、ソリューション型のデジタル化支援会社。
2017年創業の成長著しい若い企業で、小規模案件から対応しています。
Lotus Quality Assurance(LQA)
ベトナムの新興ITアウトソーシング企業であるLotus Groupの企業。ベトナム初の第三者検証会社であるソフトウエアテスト会社としてスタートしたため、テストの強さが特徴。ソフトウエア検証をメインサービスとして提供しています。
まとめ:まずは自社の要件整理から
オフショア開発会社に委託する際は、事前に自社の要件を整理し、優先したい事柄や目的を明確にしておくとスムーズに会社を選択できます。具体的に資料に文章としてまとめておくと、分かりやすいかもしれません。海外とパイプができることで、新たな市場開拓の契機となる可能性もあります。なかでも株式会社NTQジャパンのように拠点が日本にある会社の場合、より意思の疎通がスムーズで素早い対応が期待できます。コスト面のみならず、開発会社の案件実績や規模、得意分野、実績、人材育成、社風など幅広い項目を確認し、自社の要件にあった開発会社を選びましょう。