ラボ型開発とは何か?請負開発との違い、オフショア開発との相性についても解説!
日本では政府の推進もあり、ビジネスにおけるDXの重要性が高まってきました。多くの業界でこれまでの常識が通用しなくなっている中、デジタルの力を活用したビジネスモデルの変革が求められています。こうした流れの中で、システム開発についても重視されるポイントが変わってきています。システムの開発にはいくつか形式がありますが、その中でも今回の記事では、ラボ型開発に焦点を当てて紹介していきます。
ラボ型開発とは
ラボ型開発とは、特定の案件に対して専用のチームを作り、同じチームメンバーで開発を行うことを言います。一定期間、開発人員を固定することで、メンバーがシステムに習熟しやすくなり、ノウハウの蓄積やチーム内での情報共有が容易になるといった効果が期待できます。また、請負開発と違い、契約期間内であれば追加費用なしに仕様変更や修正が可能なことも、ラボ型開発の利点です。これに加えて、請負開発では1つのシステムしか開発対象にできないのに対して、ラボ型開発ではメンバーの固定が確保されているため複数のシステム開発を担当できるという点も、特にSIerのような業態にとっては魅力でしょう。
ただし、一定期間専属のメンバーを確保するため、案件数がそれなりにないと費用が割高になることがあり注意が必要です。
なお、こうしたラボ型開発の課題を克服するためによく取られるのが、海外に開発を委託するオフショア開発という手法です。特に人材確保の面で大きなメリットがあるのですが、これについては本記事の後半で詳しく紹介します。
→ オフショア開発については、こちらの記事もご参照ください。
また、ラボ型開発は同じメンバーで開発するため、小規模な単位で短期間に開発・テスト・リリースを行い、かつ仕様変更が頻繁に発生するアジャイル開発と相性が良いことでも知られます。
ラボ型開発を成功させるには
ラボ型開発を成功させるためには、どのようなことが必要になるのでしょうか。成功のためにキーとなるポイントについて見ていきます。
事業部と情報システム部門間での連携
よく見落とされがちなのが、開発したシステムの最終的なオーナーとなる事業部との連携が鍵となるという点です。特に、事業部が開発するシステムによって「何を実現したいのか」というビジョンを、情報システム部門がよく理解することが重要と言えます。これには、開発を担当する情報システム部門は事業部が行っている業務の背景や考え方を理解することも求められるということです。システムを開発する側は、どうしても自動化や無駄をなくすことに目がいきがちですが、事業部としてはUIが一番重要だ、ということもあります。
事業部側としてやれることは、指示系統の統一が肝心です。情報システム部門との窓口が複数あると、開発についての優先事項や実現したい仕様がぶれてしまい、頻繁な仕様変更につながってしまう可能性もあるためです。
また、ラボ型開発において、一定期間固定されたメンバーが習熟した環境で開発プロジェクトを成功させるためには、スモールスタートから開発を始めて、コアメンバーとのコミュニケーションを確立していく方法が有効です。
最初の案件としてPoCで実現性を検証
ラボ型開発の力を引き出すためにも最初の開発プロジェクトとして行いたいのが、PoCです。大規模な開発に取りかかる前に、プロトタイプを作ってシステムの実現性を検証する手法をPoC(Proof of Concept)と呼びますが、ラボ型開発と特に相性の良い工程です。ラボ型開発でアサインされたメンバーの経験値が高ければ、問題点の洗い出しを高い精度で行うことができ、目的とするシステムの大枠を早い段階から見ることにも寄与します。
コミュニケーション不足を補う
他の手法と同様に、ラボ型開発でもコミュニケーション不足が開発の失敗につながることがあります。こうした事態を防ぐためにも、事業部がシステムを開発しようとする背景や目的について、ラボ型開発チームでもあいまいにせず、不明な点はどんなことでも確認することが大切です。
また、多くの人が意見をバラバラに述べるとまとまらなくなるため、開発チームや事業部での取りまとめ役をあらかじめ選定しておくことも忘れずに行いましょう。
ラボ型開発はオフショア開発がおすすめ
先述の通り、ラボ型開発を行うなら、オフショア開発がおすすめです。その理由について、より詳しく見ていきましょう。
人材確保が容易
ラボ型開発は、専属の開発チームを作ることがポイントですが、そこで課題になってくるのが、いかに人員を確保するかという点です。オフショア開発を委託する先は、日本よりも若く優秀なIT人材が豊富にいる海外です。このため、優秀なエンジニアを一定期間囲い込むことが、日本よりも容易になります。
コスト低減
オフショア開発がおすすめである2つ目の理由は、人件費の安い海外に開発を委託するため、ラボ型開発でのデメリットになりやすいコストについても、国内と比較して大幅に抑えられることです。
オフショア開発の人気国、ベトナム
近年、オフショア開発を委託する先として人気なのが、ベトナムです。その理由としては、以下のような点が挙げられます。
オフショア実績の豊富さ
最近では、AI(人工知能)やIoTといった高度な技術を要する開発案件も増えており、こうした技術に知見のあるエンジニアの確保も可能です。また、オフショア案件の増加に伴って、開発品質も上がってきていると言われています。
- 優秀な人材の豊富さ
ベトナムは、国策としてIT人材の育成に力を入れており、IT系の技術者は年間5万人輩出されていると言われています。層が厚いことだけではなく、最新の技術についても知見がある優秀なエンジニアを確保できる、という点でもベトナムが他の国よりもオフショア先として有利なポイントです。
→ ベトナムでのオフショア開発については、こちらの記事もご参照ください。
ラボ型開発をオフショアで行う際の懸念点
ラボ型開発をオフショア開発で行う場合は、日本とオフショア先の国とのコミュニケーション方法や文化の違いに考慮する必要があります。特に仕様書は、あいまいなところをなくし細かいところまで明文化する必要があるでしょう。ラフな要求を出してデモを見せてもらい、理解力や技術力をチェックし、それに合わせて指示の行い方に注意を払うといった、開発メンバーの実際の能力をチェックすることも重要です。
→ オフショア開発におけるキーとなるブリッジSEについては、こちらの記事もご参照ください。
まとめ:ラボ型開発はオフショア開発が最適
ラボ型開発は、顧客のために専属のチームを作り開発できる形態です。一定期間、同じエンジニアによる開発が可能となり、顧客がSEやプロジェクトマネージャーと直接コミュニケーションを取りながら、形を作り上げていきます。専属チームを作ることから、人材確保が課題となることもある手法ですが、海外に委託するオフショア開発を取ることで効果を最大化できます。オフショア先としては、優秀な人材が多く高度な開発も可能なベトナムが人気になっています。ラボ型開発でオフショア開発を考えている場合には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
また、本資料ではラボ型開発を中心に失敗しないコツをまとめましたが、その他にもオフショア開発一般という観点で失敗を防ぐための方法がいくつかあります。下記の資料にてご確認いただけますので、是非ダウンロードのうえ、ご活用ください。
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