TEMって何?アウトソーシング先進国のアメリカ発の新しい考え方!
DXの推進やそれに向けた老朽化したシステムの更改等、システム開発の需要は拡大しつづけています。
システム開発の需要が高まる一方、IT分野のエンジニア不足は深刻な課題となっています。
エンジニアの確保の方法として、アウトソーシングが選択肢として挙がることも増えてきました。
アウトソーシングについては、アメリカを中心に最適なあり方が模索され続けています。例えば、日本では業務委託契約として知られる成果物を定義して完全にお任せするプロジェクトベース、必要な際に自社のチームとして柔軟に追加するラボ型等、様々な考え方が出てきました。
そして、最近、アウトソーシング先進国のアメリカでTEMという新しい考え方が登場しました。
このブログでは、日本ではまだあまりなじみのないTEMについて説明します。
■TEMとは
TEMはTeam Extension Model(拡張チームモデル)の略です。
このモデルでは、同じプロジェクトに従事させるエンジニアを社内エンジニア、リモートエンジニア、拡張エンジニアの三つのカテゴリで整理します。
整理した三つのカテゴリのうち、社内エンジニアは既存の正社員であり、従事する業務やスキルセットは固定されています。
リモートエンジニアは、開発するシステムによって社内エンジニアに対して対応できる項目が制限されるという違いがあるものの、従事する業務やスキルセットが固定されるという点は同様です。
ここまでの2つのカテゴリでは、プロジェクトによってはリソースが不足する可能性がありますし、開発が安定した際には余剰人員となってコストを圧迫する可能性もあります。
これら二つのリスクを、エンジニアを提供する企業から可変的なリソース“拡張エンジニア”として調達することで調整する考え方がTEMです。
■拡張チームモデル(TEM)とラボ型開発チーム(DDT)
前のセクションの解説によると一見すると今までのラボ型開発と相違ないように見えます。
しかし、アメリカではラボ型をDDT(Dedicated Development Team)と規定し、TEMと明確に分けて考えています。
拡張チームモデルとラボ型開発の違いは下記のように整理できます。
■TEMのメリット
ラボ型開発との比較において、拡張チームモデルは4つのメリットがあります。
①プロジェクト参画までの速さ
TEMを導入する最大のメリットは、立ち上げの速さにあります。
プロジェクト起点で考えるため、必要なスキルセットを具体化しやすく、必要なエンジニアを明確に定義することが可能です。
調達先の人材プールから類似したプロジェクトの経験がある最適なエンジニアを調達することで、プロジェクトに早期に参画させることができます。
これにより、立ち上がりにかかる時間を大幅に削減できます。
②高度なスキルセットを持つ人材へのアクセスの容易さ
多様なスキルを持つ開発者及び優秀な人材を企業に提供することもTEMのメリットです。
適切な調達先を選択できれば、正社員としての人材採用が難しいスキルセットのエンジニアにもアプローチできます。
開発実績の多い企業から調達先を選択することで、TEMを導入したいプロジェクトと類似する実績を持つ、スキルの高いエンジニアを確保できる可能性も高くなります。
③費用対効果の高さ
拡張チームモデルは、コストを変動費化できるというメリットがあり、プロジェクトの状況に応じたコスト調整が可能です。
また、拡張エンジニアは正社員でなく、リモートでの参画が前提となるため、正社員で必要となる人件費、PC購入などの備品の確保が不要です。
また、プロジェクトにマッチする人材を確保することができれば、研修等の立ち上げのための育成コストも不要です。
コストが低い一方で①、②のようなメリットがあるため、高い費用対効果を実現できます。
④チーム管理の容易さ
拡張チームモデルの他のモデルと大きく異なるメリットとして、コミュニケーションの透明性があげられます。
拡張エンジニアはアサインされたプロジェクトに全工数を注ぐこと、コミュニケーションラインは直接のコミュニケーションを設定できることから、チーム全体の責任者が状況を明確に把握することができます。
コミュニケーションラインの複雑化や対応状況をチームが隠すことを防ぐことができ、QCDに係るリスクを最小限に留めたプロジェクトの進行が可能になります。
■まとめ
本記事では、TEMの考え方を定義したうえで、その特徴とメリットをラボ型開発と比較しながらまとめました。
適切なスキルセットを持つエンジニアの確保が難しくなる昨今、適切なスキルセットを持つエンジニアを確保しながら、コストメリットが高く、管理も容易なチームを早期に立ち上げるための考え方として、有用なものと考えます。
今回ご紹介したTEMに基づいて、リソースを整理のうえ、不足するリソースがあれば、是非お問い合わせください。
また、整理にあたってご相談が必要でしたら、ご相談は無料ですので、ご連絡いただければと思います。
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