API連携の活用事例からそのメリットと構築方法を解説!
ビジネスモデルの改革に伴い、利用するアプリの数は増えていく一方ですが、アプリ同士が思うようにつながっていないとかえってビジネスに悪い影響を与えます。そうした問題を解決するためにAPIを使った連携が増えています。そもそも「API連携」とは何か、どのように役立つのかといった疑問に対して、本記事ではいまさら聞けない用語をわかりやすく解説いたします。
そもそもAPIとは何か?
APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略で、基本的には2つ以上のアプリケーションが相互にデータ(メッセージ)を交換できるようにするソフトウェアにおいて、インターフェース「接点」を意味します。
APIを使用することで、あるアプリケーションと別のアプリケーションをリンクさせることができます。そうすると、そのアプリケーション単体の機能だけでなく、連携したアプリケーションの機能もうまく組み合わせて利用できるようになるのです。
昨今、他社のアプリケーションとの連携による新たなビジネス機会を狙ってAPIを公開する企業が増えています。
API連携の活用事例
SNS
近年、SNSは私たちの生活に不可欠なものとして浸透し、より便利に使えるように複数のSNSがそれぞれのユーザビリティを向上させる目的でAPI連携が進んでいます。
例えば、無数にあるWebサービスで、新規会員登録とパスワードの設定を行うのは面倒です。そこで、ログインが必要なWebサービスを使う際、自分が普段利用しているSNSに既に登録されているアカウント情報を使って別のサービスにもログインできるようにする仕組みを目にしたことがあると思います。
これはAPI連携の典型的な例です。
よく利用されているFacebookやLINEなどの情報を使って別のサービスにログインできるため、非常に便利になりカスタマー・エクスペリエンスの向上につながります。
また、今の時代、SNSを1つしか使っていない人を見つける方が難しいほど多くのSNSが林立しています。そこで、複数のSNSに同時に記事投稿を行うことができれば、コンテンツ管理と作業時間の短縮により業務の効率化につながります。例えば、Instagramで投稿する際、Facebookなど他のSNSにも同時に投稿するかどうかを選択できる機能は、非常に人気のあるAPI連携の事例の一つです。
ECサイトにおける事例
API連携で、複数のECサイトにおける在庫や売上の管理が正確かつ楽になります。商品情報の登録掲載についても、一度の作業で複数のECサイトに対して同じ情報を掲載することができ、最新情報に更新する際も、API連携の機能で自動的に行うことができます。
また決済については、現在、各決済サービス会社は豊富な決済処理用のAPIを提供しているため、カスタマー・エクスペリエンスやコンバージョン率を向上させながら個人情報を保護することができます。また、リアルタイムでのデータ更新も可能で、企業の顧客管理に非常に役に立ちます。
業務システムにおける事例
社内で利用されているシステムやツールが増えると、二重入力の手間や、データの移行にともなう問題などが発生します。API連携はそうした問題をきれいに解決し、業務の連続性と生産性の向上につながります。また、精神面でも手作業から解放された従業員は気持ちの余裕ができ、仕事をより楽しむことができます。
API連携のメリット
充実したサービスの構築が可能
システム同士をAPI連携すると、それぞれの機能を利用できるようになり、サービスの機能が一気に充実します。それによってサービス自体の競争力が高まります。更に新しいビジネスモデルの創造と開発を確実に行うことができ、デジタルトランスフォーメーションの推進にも役に立ちます。
開発期間の削減
エンジニアは、個々のAPIを調整することで既存のアプリケーションに様々な機能を取り込むことができ、新規で機能を開発しなくて済むため、全体の開発時間を大幅に短縮できます。また、無料なAPIも多いため、有料なものを使うとしてもゼロからの開発よりコストを抑えることができるようになります。
セキュリティ向上
セキュリティ機能は通常、豊富な知識と経験を持つエンジニアでないと開発できないものですが、GoogleCloudのAPIなど信頼性が高い会社のサービスを利用すれば、中小企業においても高度なセキュリティ機能の開発が可能です。API連携を使うことは、コストや開発期間の面からみても有効な対策といえます。
API連携の実装方法
API連携を実装する手順は大きく分けると、4つのステップがあります。
・ステップ1:APIの選定
上記にも述べた通り、非常に多くの企業が多種多様なAPIを提供しています。そのため、連携する目的を明確にした上で、最も適切なものを選ぶ必要があります。
「APIの連携でどのような問題を解決したいか」「予算がどのぐらいとれるか」「導入後の結果が期待できるか」といった課題をできるだけ細かく設定すべきです。
・ステップ2:API提供会社のユーザー登録
使用したいAPIが決まったら、そのAPIを提供する会社にユーザー登録を行います。ユーザー登録には、ソフトウェアの概要情報と利用目的などが必要です。つまり、ステップ1で課題や目的を明確化しておけば、ステップ2の登録作業が楽になります。会社によって審査時間は1~2日程かかりますので、時間的余裕を持って登録を行いましょう。
・ステップ3:APIキーとシークレットキーの取得
ユーザー登録が成功したら、次に行うことは「APIキー」と「シークレットキー」の取得です。これはユーザーの識別や認証などを行うコードで、Webコンテンツにログインするにあたり、APIキーはログイン用ID名として、シークレットキーはパスワードとしての役割を果たしているため、慎重に取り扱う必要があります。
・ステップ4:APIの実装
実装方法は提供会社によって異なりますが、仕様書に従って作業すれば、APIが正常に作動します。完成後には必ずテストを行うようにします。
まとめ: API連携で自社のシステムをレベルアップしましょう
API連携は今後ますます身近な場面に広がりつつあり、ビジネスモデル改革に不可欠なものとなります。本記事ではAPI連携の概要、メリット、導入場面と実装方法をまとめて説明しました。
NTQでは、API連携を利用したシステム統合、システム開発などの豊富な事例を持っております。システム開発だけでなく、ビジネスモデルのコンサルティングのサービスも提供しておりますので、実際に導入する際に課題や不安があるようでしたら、ご遠慮なくご相談ください。